大失業時代を若者はどう迎え撃つべきなのか?

2013年03月12日 06:38

松本孝行氏エントリー、日本人の9割はノンエリートですを拝読。

先ず、基本的な話として松本氏が個人としてどう考え、どの様なエントリーをアゴラに投稿され様と自由である。

しかしながら、二行目に私の氏名と過去のエントリーが参照されているので誤解を避けるため説明させて戴くというのが今回のエントリーの趣旨である。


松本氏のエントリーで気になるのは、タイトルにある通り「エリート」vs「ノンエリート」の如く構図を余りに単純化してしまった所である。

こういった具合に、コントラストを鮮明にして訴求する手法は読者に取って判り易いという利点がある反面、常にミスリードする危険と隣合せである。

しかも、基軸としている「エリート」、「ノンエリート」の定義付けが下記のみで、極めて曖昧模糊と言わざるを得ない。

じっくり考えてみましたが、おそらくこれはエリートかノンエリートか、どちらを見ているかの差だと思いました。海外推進派の方々はエリートを、そして海外に行かなくていいという私はノンエリートの人たちを見ているから、意見が食い違うのだと思いました。

一方、今回参照戴いたエントリーを含め、私が一貫して主張しているのはまとめていえば「大失業時代を若者はどう迎え撃つべきなのか?」であり、今少し詳細を話せば下記ポイントとなる。

大失業時代の到来は確実。

若者が幸せな人生を送るためには経済的な自立が必要。

そのためには職を得るチャンスを高め、少しでも良い条件を可能とすべし。

具体的には「海外留学」、「海外勤務」の経験を積むのが良い。

上記の何処がエリートというのであろうか? 寧ろ、プータロー、ニート、生活保護受給者予備軍と思うが。

逆に、下記職業に従事する人達が殊更海外に行く必要があるとは思わない。

医師、歯科医師を筆頭に医療従事者。

伝統工芸の継承者。

一個@100円単位の高給梅干を生産する農家。

山奥に籠り高級備長炭を焼く炭焼き。

他、ブランドが確立しており海外と競争しないで済む職業。

それでは、何故私がこう考えるかである。

昨年5月に発表された、マッキンゼーのレポートを参照するのが効果的と思う。全世界でこれから生じる事になる「大失業時代」を予言している。

そして、日本もその例外では有り得ない。寧ろ、アメリカの様な解雇規制の緩やかな国よりも遥かに大きなダメージを受ける事になると考えている。

アベノミクスは今の所滑り出し快調のようだ。しかしながら、何時まで継続するか?が問題である。

財政出動は勿論期間限定である。従って期間が終われば、結果、エコポイント終了後家電製造業や家電量販が経験したのと同じ苦難の道を日本経済が辿る事になる。

金融緩和も実際の所効果はないと思う。金融緩和をしたところで製造業が国内で設備投資に向かうとはとても思えない。国内に比べ、海外に遥かに有利な工業団地と廉価な労働力が存在するからである。

その結果、雇用は増えず、労働者の給与も上がらず、個人消費も増えず、気が付いて見たら円安の副作用で物価が上昇し「生活苦」を実感するといった展開ではないのか?

家電業界が向かうべきは「4Kテレビ」の開発ではなくホワイトカラーのリストラでは? で説明した通り、国内の失業率が低いのは業績絶不調の家電製造業の様な業界ですら余剰人員を抱えているからである。

政府は一兆円のファンドを設立しての延命を模索しているが、早晩抜本的な雇用調整は避けられない。

安倍政権が取り組むべき三つの構造改革 で説明した地方自治体の恒常的赤字体質(歳入の70%以上を地方交付税依存とか)の是正も待ったなしである。勿論、地方公務員のリストラや給与引き下げは必然となる。

池田先生が提案されている、日本経済はモラトリアムを卒業しようには当然賛同する。日本経済活性化のためにはこういったゾンビ企業の延命に終止符を打ち、中に囲われている従業員をより生産性の高いセクターに移動させる必要がある。

とはいえ、中小企業金融円滑化法の対象企業は80万社を超えると聞いている。その内の何割が破綻する事になるのか知る由もないが、一時的であるにせよ連鎖倒産も含め地域経済や地域金融機関への打撃は避けられない。

さて、長々と書いたが結論に向かわねばならない。

「大失業時代を若者はどう迎え撃つべきなのか?」である。

学生を対象にしていえば、「しっかり勉強して労働市場での市場価値を高めなさい!」という話になる。

しかしながら、適当に授業に出て、後はお気楽なサークルと夜の飲み会、それから恋愛といった日常に流されている大学生に通じるであろうか?

若手の社会人も同様である。

勝ち逃げしか頭にない経営者や中高年の下で与えられた雑用を黙々とこなしているだけではないのか? そんな単純作業は誰にでも出来、自分は所詮トカゲの尻尾で何時でも切られてしまう存在と気づいているのであろうか?

こんな若者にしっかりとした「キャリアパス」を積み、30才になった時点ではそれなりの「スキル」を身に付けた方が良いと諭した所で、抽象的過ぎて、具体的にどうしたら良いか判らず困ってしまうのだと思う。

仮にそうであれば、大学生には入学した大学が提携する海外の大学に一年程度留学する事は有意義だとアドバイスする事になる。

具体的で「何をすべきか?」が明瞭、且つ効果がそれなりに検証されていると思うからである。

一方、若手の社会人にも、希望して行けるものなら海外駐在を一度経験すべきと、同様アドバイスする事になる。

勿論、繰り返しとなるが国内で「海外留学」、「海外勤務」を凌駕する経験を積む事が可能であれば、全く行く必要はない。

肝心の点は、30才の時点で労働市場の評価に耐える人材に育っているか、否かという事であるからだ。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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