マイナンバー法の誤解(第8回)~国会での正しい議論と誤解解決のために~

八木 晃二

通称:マイナンバー法案は、昨年提出された民主党案に対して自民党が修正を加え、自民党内で法案が了承され、政府が3月1日に閣議決定し、国会に提出された。4月から、いよいよ国会の場において本格的な議論が開始される予定である。(自民党案では、通称は番号法案に変更になるようである)

民主党時代に作成されたマイナンバー法案は、その制度目的が不明確であり、多くの問題点を含んだ法案であることは、私が過去にアゴラに投稿した「マイナンバー法の真実(全3回)」と「マイナンバー法の誤解(過去7回)」で指摘した通りである。そして、その具体的な問題点と解決策については、拙著「完全解説共通番号制度(アスキー・メディアワークス発行)」と「マイナンバー法のすべて(東洋経済新報社発行)」で解説した。ただ、現在のマイナンバー法案には非常の多くの制度目的が内包されたがために、国民やマスメディアにとって非常に理解し辛い、難しい内容となってしまった。私の過去の投稿や拙著での記述内容も、国民の方々には分かりにくく、難解な説明にみえていることだろう。

そんな中、BSフジのプライムニュースから出演の機会をいただくことになった。明日3月19日(火)20時からの2時間番組である。
『社会保障・税番号制度関連法案が国会提出 その課題とあるべき姿は?』
ゲスト:
西村康稔 内閣府副大臣
森信茂樹 中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員
八木晃二 野村総合研究所DIソリューション事業部長
http://www.bsfuji.tv/primenews/schedule/index.html

私の主張は、今まで通りであり、
○番号制度ありきではなく、まず制度目的を明確にした上で、制度設計をすべき。
○その実現のためには、マイナンバー制度を、「社会保障・税番号制度」「身元証明書制度」「国民ID制度」「プライバシー保護制度」の4つに、目的別に分割して制度設計をすべき。
○今回のマイナンバー法案は、社会保障・税の分野に限定、優先して制度設計すべき。
というものである。

明日、どこまで伝え切れるかは自信がないが、できるだけ平易な言葉を使って伝えてみたい。そして、マイナンバー法案(番号法案)に関する理解が深まり、国会の場において国民にとって有意義な議論がなされることを願いたい。