「労働市場の流動化」をどうやって前に進めれば良いのか?

2013年03月20日 15:27

昨年大晦日に日経新聞が公的資金で製造業支援 資産買い取り1兆円超を発表して以来、ネットでは「労働市場流動化」の議論が活発である。


判り易い例として、中嶋 よしふみ氏の国が1兆円もかけて電機メーカーの設備を買い取るらしいと池田先生のモラトリアム法がなくなっても「ゾンビ企業」は生き延びるを参照する。

先ず、私のスタンスであるが両記事の主張に同意するものである。

赤字を垂れ流す企業を国が支援の上延命し、結果、従業員を将来のない企業、組織の囚人にしてしまう様な事は断じてやってはいけないと思う。

問題は、何故安倍内閣がかくも「筋悪」な政策をやらねばならないか?、である。

順序立てての考察のため、池田先生記事の中核部分を下記参照する。

この法律は、中小企業などが金融機関に返済猶予や金利の軽減を申し入れた際に、できる限り貸付条件の変更を行うよう努めることなどを定め、企業が破綻した場合は貸し倒れ債務の40%を公的に補填する。昨年9月までの中小企業向けの返済猶予の実行件数は363万件、金額は100兆円にのぼる。対象になった企業は32万社で、これは中小企業の8%以上に及ぶ。

この内10%が破綻するのであれば3万社、20%なら6万社が倒産という事になる。

膨大な金額が予想されるので、不良債権の処理は住専の時と同様に時間をかけて行うのであろう。

問題となるのは日本が経験した事のない「倒産ラッシュ」が現実になる事である。失業者が街に溢れ、社会不安が増大する。

政治家は基本「票乞食」であり、有権者に恨まれるのを嫌がる。

一方、役人の天下り組織は既存システムに巧妙に組み込まれており、結果役人は基本省益が伴わねば変化を嫌がる。

こういう背景を考えると、政治家及び役人が「労働市場流動化」を一気に進めるとはとても思えない。

それでは、「労働市場流動化」を前に進めるために必要な条件とは、一体何であろうか?

二つあると思う。

第一は、国内市場での新規雇用の創出である。これにより、流動化した労働力を吸収し社会不安の発生を防ぐ事が可能となる。

そのためには、「海外」を今少し気楽に考えては!で提案した通り、規制撤廃を行い世界から有能な人材を受け入れねばならない。

しかしながら、今後の日本に取って大事な事は、規制を緩和し、国を開き、世界から人材を募集し、「サービス」であれ、「商品」であれ最低でもワンランク上を目指して行く事だと思う。

日本経済の救世主は「インフラ輸出」?、並びにアベノミクス、4本目の矢は「石炭火力」、5本目の矢は 「インフラ」輸出!で提案した、国内企業のインフラ輸出を政府が側面支援するというのも有効だと思う。

今一つは、国内市場で職にあぶれた人間に海外で活躍するチャンスを斡旋する事である。

このスキームが円滑に稼働するためには、国民サイドでも英語くらいはある程度出来る様になっておく必要がある。「公助」に頼るばかりでは矢張りダメで「自助」が必要という当たり前の話である。

以前のアゴラへのエントリー、若者は海外を目指すべきは極めて常識的な事を述べた積りが、随分と多数の批判を頂戴し意外であった。

もう十年以上も前になるが、BBCの仕事(現BBCワールドジャパン取締役)をしていた頃は打ち合わせでロンドンに行く事が多かった。

丁度その頃、夏休みのシーズとなれば語学学校のあるイギリスの各都市はドイツやフランスなどからの中高生で大混雑というのが随分と話題になったものである。そして、今も変わらず語学学校は大盛況と聞いている。

私は、日本の大学生が興味の湧かない授業やお手軽なサークル、それに続く飲み会、恋愛で時間を潰す位なら「短期留学して英語の習得や異文化に触れた方が良い」といったまでである。

欧州ではドイツやフランスを筆頭にそれ位は中学、遅くても高校でさっさと切り上げ、大学では英語の授業が受講可能なレベルに到達していると理解すべきであろう。

日本の若者の理解は周回遅れと言わざるを得ず残念である。

日本の若者の能力が月給@五千円のベトナム人、ミャンマー人よりそれ程優れているのであろうか?

努力を怠り、経済大国日本に住む日本人としての待遇を求め続けたとして、それ程遠くない将来「自助努力」をしない人間、「公助」に値しない人間として切り捨てられる事になるのではないのか?

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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