サラリーマンよ、会社を利用して何かやれ

2013年04月01日 07:54

4月1日である。新しい期の始まりだ。何かを始めるにはぴったりの時期である。『「意識高い」系という病』なんていう本を書いた私だけど、著者の私自身、なぜか意識が最高に高くなっていて、ブログに決意表明など書いてしまった。ただでさえ、春はソーシャルメディア上で意識高いことを書く「訓示親父」が増えるのだが、今日くらいは私も訓示親父化しよう。

サラリーマンよ、今年度は「会社を利用して何かやれ」。


昨日は多くの学生から「明日から社会人です」というメールを頂いた。返信する際に、「さあ、目が覚めたら社会人だよ」と書いたら、胸がキュンとした。

とはいえ、社会人生活は楽しいことだらけではない。いや、喜怒哀楽の連続なのだ。もっと言うと、ガチバトルと茶番の繰り返しなのだ。

新しい期を迎える今日は、各社で入社式などが行われる。以前、別のサイトで内定式がいかに茶番かという話を書いたことがあるが、入社式も茶番である。

新入社員諸君。入社式の社長の話は、話半分どころか、話12.5%くらいで聞くがいい。どうせ、どの会社の社長も言うことは同じだからだ。「変化の激しい時代~」「グローバル化するなか~」「第◯期創業期」「フレッシュな視点で~」「創造的破壊を~」こんな言葉を聞いて、「おお、社長、すげえ」「この人に一生ついて行こう」なんて思ったアナタは既に情弱である。情弱ぅ、情弱ぅ!と連呼したいくらいだ。

こんな言葉の羅列は言わなくてもわかる話であって、何も言ってないのと思じだ。「お前の一生(に稼ぐ金)、矢沢の二秒」は私が現人神と崇拝し毎年武道館詣をしている矢沢永吉の名言だが、新入社員の10倍以上お給料をもらっている偉い人が言うセリフではない。

感動する経営訓なんかも疑った方がいい。どうせ、松下幸之助などの名経営者やドラッカーの受け売りである。ある経営者の講演によると、日本人ほど人口対比でドラッカーを読んでいる国民はいないそうだ。パンチドランカーならぬパンチドラッカー状態だ。日本人にとってドラとは、大人になる前はドラえもんで、その後はドラッカーなのである(麻雀ファンにとっては、別の意味で嬉しい言葉だが)。
※その点、先日、三菱重工業の社員に聞いた話なのだが、同社の10数年前の入社式では当時の社長が「皆さん、ウチの会社は、まさに重厚長大です。ウチの会社は、つぶれません。だから、思い切り仕事をしてほしい」という話をしたらしい。まだぶっちゃけ話をしている感じがしてよかった。

就職難を乗り越えて、人によっては長きにわたる就活を乗り越えて、入社したわけだから感動もひとしおだろう。でも、これからのサラリーマン生活は冷静と情熱がそれぞれ必要なのだ。熱くなることも大事だが、「これって本当なのか?」と冷静になることも大事である。

とはいえ、新人時代はがむしゃらに働き、仕事の仕方を覚えた方がいいのは間違いない。先日のアゴラチャンネルで茂木健一郎氏と論争した際も話題になったが・・・。大学は仕事の仕方をほぼ教えてくれない。最初は仕事にまみれる時期も大事ではある。

新入社員だけでなく、サラリーマンの皆さんに、意識高く語りかけよう。

それは、「会社を利用して何かやれ」ということである。

ここ2、3年、ノマドや起業、社会貢献活動をするか、社畜になるかという極端な議論になりがちだったが・・・。別に会社の外に自由を求めるのではなくて、会社の中で自由なことをすると、雇用も安定していて、使えるお金も大きくて最強なのである。上手くやると年齢の割に楽しいことをできるわけである。

この「会社を利用して何かやる」こそ、会社員の醍醐味である。もちろん、会社の風土によると言われればそれまでだが、カタそうな会社、いや役所ですら、会社の資源を利用して好きなことをやっている社員を多数見聞きしてきた。会社というのはわかりやすいもので、利益に貢献することをすれば、文句は言われにくいものである。実際、好きなことをやって会社を儲けさせて、出世していった人を多数見てきた。

最近、「自由な働き方」と言えば、それこそ起業やノマドという話になったり、利益よりも社会貢献活動という話になりがちだった。あるいは、会社員をしながら副業するのはどうかという話である(この件は何度か流行っており、既視感バリバリなのだが)。

違うのだ。

会社を利用して何かやることこそ会社員の醍醐味なのだ。

あるいは、閉塞感のある会社に革命を起こすのである。

創造するミドル―生き方とキャリアを考えつづけるために
創造するミドル―生き方とキャリアを考えつづけるために [ペーパーバック]

20年前の本ではあるが、『創造するミドル』(金井 壽宏・沼上 幹・米倉 誠一郎 有斐閣)という本をオススメする。会社の中で改革を行った社員たちの事例が多数、出ている。サラリーマンの心構えのようなものも書いてある。20年前から、何度も読み返す良著である。

また、自由な働き方をどう創るかという話は、1月に本を出したので、こちらもご覧頂きたい。

サラリーマンとは顔の見えない世界ではある。社長になってすら、顔が見えない。あなたは、日本の大手企業の社長の名前と顔を、一業界だけでも覚えているだろうか。同じ業界内くらいしか、思い出せないだろう。

顔の見えるサラリーマン社会を創りたいというのが長年の私の夢ではある。

ただ、自分の顔や名前が出なくても、新聞や、電車の中吊りに出ているネタについて「あれ、俺がやったんだぜ」とニヤニヤするのも、サラリーマンの醍醐味である。

「会社を利用して何かやる」

4月1日は、このサラリーマンの醍醐味を再認識しよう。

行こうぜ、満員電車の向こうへ!

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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