少子化って何?

2013年04月01日 23:59

このごろ日本経済が元気よくなってきました。それでも「景気対策」をやろうという人がいますが、先月のこども版でも説明したように、日本はそれほど不景気ではありません。働く人ひとりあたりでみると成長しているのですが、なにしろ働く人が毎年1%近く減るので、なんとなく元気がなくなってしまうのです。


戦後の出生率の変化

こういう問題を少子化といいます。これは夫婦の生む子供の数(出生率)が下がるために起こる現象で、図のように終戦直後は4.5もあったのに、今は1.39まで減っています。つまり2人の夫婦で1.39人のこどもしか生まないので、人口はどんどん減っていくことになります。

では民主党政権のように「産めよ殖やせよ」と子ども手当を出せばいいのでしょうか。そんな手当で出生率は増えないし、増えても働き手になるのは20年後です。大事なのは、働けるのに職についていない人が働けるようにすることです。

この点で一番だいじなのは女の人が働くことですが、日本の女の人の働く割合(労働参加率)は62%と、先進国の平均70%よりかなり低い。これは結婚・出産で退職することが多く、しかも一度やめると賃金が低いためです。非正社員の半分以上は、主婦のパートなのです。

それはなぜかというと、日本のサラリーマンは転勤が多いので、お父さんが転勤するときはお母さんが大学を出てちゃんとした仕事(総合職)についていても、やめるしかないからです。それで次に就職するときは、スーパーのレジみたいな仕事しかないので、あほらしいから専業主婦をやろうということになって、一生はたらく女の人が少ない。

つまり社会が男中心にできていて、しかも仕事の変化に対して転勤や配置転換で対応するという日本の会社の特殊な働かせ方の問題なのです。これは働き手が余っていたときはよかったのですが、今のように人口が減ってくると、夫婦のうち一人しか働けないしくみは困ります。だから問題は子供の数を増やすことじゃなくて、女の人が一生はたらける社会に変えることなのです。

その一つは、男女とも会社に依存する働き方をやめて、自分の生活を中心にして仕事を選べるようにすること。欧米の会社には、転勤はありません。就職するときは、どういう場所でどういう仕事をするかという契約を結ぶので、会社が勝手に社員の人生を変えることはできないのです。

もう一つは、保育所を整備して働く女の人を支援することです。それなのに日本では、厚生労働省の調査でも4万6000人も保育所に入れないで待っている「待機児童」がいます。これは保育所の規制が非常に強く、予算の80%は役所からの補助金なので、新設がむずかしいためです。幼稚園と同じように自由につくらせれば、待機児童なんてすぐなくなるのです。

そんなわけで日本の人口がこれから減っていくことは避けられませんが、働く人の数が大きく減ることは避けられます。そのためには会社が社員の人生を決めるのではなく、個人が自分の人生を選べる社会に変えなければならないのです。よいこは今から勉強して、男も女も会社に頼らないで働ける人になりましょう。


こういう問題を少子化といいます。これは夫婦の生む子供の数(出生率)が下がるために起こる現象で、図のように終戦直後は4.5もあったのに、今は1.39まで減っています。つまり2人の夫婦で1.39人のこどもしか生まないので、人口はどんどん減っていくことになります。

では民主党政権のように「産めよ殖やせよ」と子ども手当を出せばいいのでしょうか。そんな手当で出生率は増えないし、増えても働き手になるのは20年後です。大事なのは、働けるのに職についていない人が働けるようにすることです。

この点で一番だいじなのは女の人が働くことですが、日本の女の人の働く割合(労働参加率)は62%と、先進国の平均70%よりかなり低い。これは結婚・出産で退職することが多く、しかも一度やめると賃金が低いためです。非正社員の半分以上は、主婦のパートなのです。

それはなぜかというと、日本のサラリーマンは転勤が多いので、お父さんが転勤するときはお母さんが大学を出てちゃんとした仕事(総合職)についていても、やめるしかないからです。それで次に就職するときは、スーパーのレジみたいな仕事しかないので、あほらしいから専業主婦をやろうということになって、一生はたらく女の人が少ない。

つまり社会が男中心にできていて、しかも仕事の変化に対して転勤や配置転換で対応するという日本の会社の特殊な働かせ方の問題なのです。これは働き手が余っていたときはよかったのですが、今のように人口が減ってくると、夫婦のうち一人しか働けないしくみは困ります。だから問題は子供の数を増やすことじゃなくて、女の人が一生はたらける社会に変えることなのです。

その一つは、男女とも会社に依存する働き方をやめて、自分の生活を中心にして仕事を選べるようにすること。欧米の会社には、転勤はありません。就職するときは、どういう場所でどういう仕事をするかという契約を結ぶので、会社が勝手に社員の人生を変えることはできないのです。

もう一つは、保育所を整備して働く女の人を支援することです。それなのに日本では、厚生労働省の調査でも4万6000人も保育所に入れないで待っている「待機児童」がいます。これは保育所の規制が非常に強く、予算の80%は役所からの補助金なので、新設がむずかしいためです。幼稚園と同じように自由につくらせれば、待機児童なんてすぐなくなるのです。

そんなわけで日本の人口がこれから減っていくことは避けられませんが、働く人の数が大きく減ることは避けられます。そのためには会社が社員の人生を決めるのではなく、個人が自分の人生を選べる社会に変えなければならないのです。よいこは今から勉強して、男も女も会社に頼らないで働ける人になりましょう。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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