仕事の収入アップの王道は「掛け算による希少性」を再確認した夜 --- 内藤 忍

2013年04月02日 11:17

5月21日~26日までテキサスの不動産視察スタディ・ツアーに行くことを踏まえて、日本人が米国の不動産投資をした場合の税制について、日本の税理士と米国の会計の専門家の方にお話を聞いてきました。自分への備忘録として残しておきます。

(米国不動産の会計に興味の無い方は、次ページの後半からお読みください)


日本人が米国で不動産を購入した後でかかる税金は、大きく分けると

固定資産税
所得税(賃貸している場合)
譲渡益税(売却する時)

になります。

まず固定資産税は連邦政府から計算された金額をアメリカで納税します。州によっては、州や街からも課税されることがありますが、こちらは比較的シンプルです。

ややこしいのが、所得税です。賃料が入ってきている場合、収入に対して納税義務が発生します。しかし、賃料すべてに課税されるのではなく、

所得税課税対象 = 賃料 ─ 経費 ─ 減価償却

となり、場合によっては赤字になることもあり得ます。

所得税は米国では米国のルール、日本では日本のルールで計算します。どこまでが経費に入るのか、減価償却の年数など、日米で大きな違いがあります。例えば、日本では建物が木造なのかRCなのかで法定耐用年数が違いますが、米国はどれも同じです。

それぞれの国の方法で計算して、

例えば、
米国赤字 日本赤字 → 納税ゼロ
米国黒字 日本赤字 → 米国納税
米国赤字 日本黒字 → 日本納税
米国黒字 日本黒字 → 2か国で相殺

というように申告を行います。

この話を聞いていて思ったことは、日本の税理士は日本のこと、米国の専門家は米国のことを詳しく知っているのですが、両方をまたいだ知識を持っている人が実はとても少ないということでした。

米国の納税と日本の納税はどのように相殺できるのか? 米国で物件売却した時の譲渡所得に対する税金は、日本と米国でどのように課税されるのか? このような、クロスボーダーの税制に関して、相談できる専門家はほとんどいないのです。

今までは、日本人で海外に不動産投資をするのは、超富裕層の極めて限られた人たちだけでした。しかし、これからは変わります。金融資産があまりない人でも、200万円300万円で海外に不動産を保有するケースが当たり前になっていくのです。

そこで、このようなクロスボーダーの税に対するニーズは爆発的に高まると思うのですが、そんなサービスはまだ広がっていません。

日本の会計士・税理士の方は競争の激化で厳しい環境にあると聞きます。しかし、今回のケースのように、それぞれの国の谷間にあるような業務にはビジネスチャンスがあると思います。

だとすれば、他の同業者と同じ土俵でレッドオーシャンな戦いをするより、日本と海外という掛け算をすることで、誰も参入していない、ブルーオーシャンな新しい市場を開拓すればいいのに、と思ってしまいました。

確かに、新しいマーケットに足を踏み入れるのには、努力も勇気も必要です。日本の税理士がアメリカのことを勉強するのは、英語のハードルもあって大変なのかもしれません。しかし、大変だということは参入障壁が高いということでもあります。それだけの価値があることの裏返しでもあります。

掛け算をすることで、希少性を高めれば、自分の価値は高められます

Aができる人、Bができる人、はそれぞれたくさんいても、AとBができる人は少ない。そんな人になれれば、希少性が高まり、価値の高い仕事ができ収入アップにもつながる。いつも言っている「仕事は掛け算」という考え方です。

税制について教えていただくミーティングだったのですが、私にとっては、途中から仕事の価値について再確認する場になってしまいました。

※本日の税制内容の正確性については、ご自身で会計士の方に最終確認をお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年4月2日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


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