わが国の電子政府は世界何位か?

山田 肇

わが国の電子政府は世界で何位なのだろうか。国際連合が発表している順位は、2012年版で18位。トップ5は韓国、オランダ、イギリス、デンマーク、米国。アジア圏では、わが国はシンガポールよりも劣位である。

世界経済フォーラムが発表した「2013年版世界IT報告」によれば、わが国は政府部門でのIT活用度が27位(昨年は21位)と評価されている。民間部門のIT活用度は2位なので、政府部門の遅れが著しい。世界経済フォーラムのレポートは、「国家競争力を強化していくためにITを利活用していこうという意思が政府のビジョンとなっていない」「ITの利活用を推奨する政策に成功していない」と日本を評価している。


「2013年版世界IT報告」は健康・医療・介護情報の連携にも言及しているが、わが国では、その前段の、税と社会保障の情報連携すら実現していない。

一方、「早稲田大学電子政府世界ランキング2013」によれば、わが国は6位である。国際連合調査のトップ5は、早稲田の調査では、韓国が4位、オランダが10位、イギリスが5位、デンマークが8位、米国が3位ということになっている。いずれの調査にも主観的な要素があるから順位は正確ではないが、国際連合や世界経済フォーラムと大きくかい離している早稲田の結果には違和感がある。

政府の新戦略ではオープンデータが強調されるようだが、オープンデータを含め利活用を進めない限り、世界での評価で順位を上げるのはむずかしい。

山田肇 -東洋大学経済学部-