苦節20年が実りの時期を迎えた感のある日本経済 --- 岡本 裕明

アゴラ

これを書いている東京市場オープン前の雰囲気からすれば、今日明日中にも円は100円を突破し、株式市場は200円以上高いところになるような気配です。この流れはイケイケムードを作り出しており、円は日経では110円を目指す、という記事も出てきました。


10日ぐらい前のブログに書いたと思いますが、株式市場はそろそろ一旦、目先のピークをつけそうな状況にある気がしております。それが今週かな、という気がします。指標的にはあらゆるデータが過熱状態を示しており、いわゆる過去の経験値が通じないところにあります。だからこそ、乱高下しやすい環境にあるかと思います。

企業の決算数字はゴールデンウィーク明けぐらいから本格化しますのでゴールデンウィークがある意味、大きな節目になるかもしれません。但し、長期的にはまだまだ上に向かう相場付だと思いますので長く持つ人には関係ないでしょうけれど。

為替ですが、ドルが明らかに強くなってきた環境の中で円が売られる後押しをしているように見えますが、アメリカの景気は民間は強気ですが、政府部門は引き続き厳しい状態が続きます。ドルと円を見るとドルの規模が圧倒的に大きいですので大所高所という観点でドルのベクトルがどちらに向いているのかを知ることは重要な気がします。

アメリカを変えるともいわれるシェールガスは相場が上向きなり、業者も初期の淘汰が進み産業としての厚みを増してくるのではないかと思います。今までガス資源会社は供給のコックを締めていましたからこれから大きく価格が跳ね上がることはないと思います。これは日本にもメリットはあるはずです。ここはアメリカにとってかなりプラスですし、近い将来、エネルギー自給が達成できれば貿易赤字の大幅改善につながり、ドルの価値は上向きかもしれません。

ゴールデンウィーク中の最大の注目ポイントは安倍首相がプーチン大統領と会合をしますが、その際、北方領土を含めた対ロシアとの関係をどうするか、これにより更なるサプライズは起きるかもしれません。ロシアはメドベージェフ首相が大統領時代、北方領土に二度来るなど、その関係の先行きに不透明感がありましたが、プーチン大統領はもともと、ロシア経済を立て直すことでプーチン氏の支持基盤を強固なものしてきました。また、過去、数多くの領土問題も解決へと導きました。ここはプーチン氏はメドベージェフ首相を抑え込んで、日本との歴史的問題に踏み込み、その道筋をつける公算があるのではないでしょうか? そうすれば、日本にもう一つのギフトとなることことでしょう。

日本は経済的に20年以上も苦戦しました。その中で努力を怠らなかったことも事実です。常に改善を試み、地道な努力を重ねてきたと思います。その成果がようやく表れつつあるのではないでしょうか?

株価はまだ大きな相場の初期にあるように見えます。ある程度時間をかけながら世界のマネーが日本のパフォーマンスを見直すようになるかもしれません。そうすればジャパンパッシングとかナッシングといわれた我が国もさすが日本だね、と言われるようになるでしょう。

株式相場は踊りすぎには注意だと思いますが、春いっぱいという気がいたします。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年4月22日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。