「核の不使用」声明の不同意も良いが、先ず説明責任を果たせ!

2013年04月28日 08:13

日本政府が核防止条約再検討会議の共同声明に不同意を決めたニュースは、既に詳しく報道されているので詳細は省くとして、「今回『いかなる状況下でも』の部分が日本の安全保障の状況を考えたときにふさわしい表現かどうか、慎重に検討した結果、賛同することを見送った」と言う不同意の理由が良く判らない。


マスコミの解説に依れば、「声明の基本的な考え方を支持しつつも、アメリカのいわゆる『核の傘』への影響や、北朝鮮の核開発問題などを懸念した」のが理由らしいが、「声明に賛同しない事」が、日本の国益にプラスになる理由を具体的に説明して欲しい。

今回の不同意が、「国益追求は、米国のへの遠慮から始まる」と言う伝統の外交政策への回帰であれば、経費節約の為にも日本の外交活動は止めた方が良い。

海外諸国の外交はしぶとく、日本の様に相手の鼻息を窺って外交をするほど「うぶ」ではなく、常に自国の国益を前面に立てた外交を展開しており、例え日本の友好国でも、自国の利害に反するとなれば、日本の顔色を窺う事も無く、堂々と自国の正当性を主張してくる。

頼まれもしないのに、第三国のご機嫌を伺っても、相手は手の内を簡単には明かさない。だからこそ、各国は諜報活動に膨大な予算をつけているのだ。

日本の「おどおど外交」で楽をするのは、「相手国の当事者と、愉しくワインを飲める」日本の外交官くらいである。

私は絶対平和主義者ではなく、自衛権は勿論、日本の集団的自衛権も容認し、自民党や日本維新の会とは理由は異なるが、9条も含め憲法の全面的な改正論者である。

それでも、この問題については「声明に書いてある内容は至極もっともなことだ」と言う、長崎被災協の山田事務局長の意見に共感を覚える。

そもそも日本は、非核兵器国としてNPTに加盟する際に、「核兵器の製造、取得を禁止」を受け入れただけでなく、我が国の憲法の前文と第九条で「いかなる状況下でも核は勿論、一般兵器の保有と使用を禁止し、諸外国もこの禁止に同調する様に努力をする事」を世界に誓った極めて特殊な国である。

従い、我が国憲法を無視するか、NPTからも脱退しない限り「今回の声明内容」は、日本の国是の筈である。

私が気になるのは、日本政府がNPTの署名にあたり「条約第10条が自国の利益を危うくする事態と認めた時は、脱退」し、「日米安全保障条約が廃棄されるなど、わが国の安全が危うくなつた場合には脱退」する権利を留保すると言う声明を発表していた事実だ。

ひょっとすると我々国民に知らされない中に、日米安全保障条約が廃棄されそうな危機的な状況にあり、その場合の核保有を考えて不同意を決めたのでは? と言う疑問である。

墜ちるところまで墜ちた外務省の考えることだから、何が起こっても不思議ではない。

まさかとは思うが、2009年に天野氏がNPTの事務局長に立候補した際に、南アの代表が天野氏の対抗馬に立候補して、第一回投票で11票を獲得して天野氏を脅かした事に対する意趣返しとして、南アの提案したこの声明案に不同意としたのではあるまい?

又、目の前に迫った参院線での日本維新の会の協力を取り付ける為に、核武装を主張する石原共同代表と裏取引したのかもしれない。

声明の提案国である南アは、核兵器保有国だったが、核を放棄して核兵器非保有国としてNPTに加盟した英断は、今でも一定の国の尊敬を受けており、南アへの尊敬の念を中韓両国が悪用し、日本の不同意を盾に、日本の右傾化を非難した場合、新興国を中心とした諸国に支持が広まる可能性もあながち否定できない。

こうしてみると、政府の「不同意」が、日本の国益にとって「害」が「利」に勝る気がしてならない。

いずれにせよ、声明への「不同意」が日本の国益追求にプラスになる理由をもっと解り易く説明して呉れれば、これ等の疑問も解消する。

それにしても、外務省にとっての悲劇は、外務省がどんなに米国に神経を使っても、米国はそれに気がつくほど日本の動きを気にしていない事だ。

日本は何時になったら、自国の国益を第一とした外交が出来る国になるのであろうか?

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