人生のカギはコンディショニングにあり!

2013年05月01日 18:00

人生のカギはコンディショニングだと思う。いくら能力があっても、いくら努力しても、心身の健康を失っては継続して成功することはできないし、本当の幸せは築けないと思う。


世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか? [単行本(ソフトカバー)]
は最高のパフォーマンスを出すための総合コンディショニングのテキストブックを目指した。ターザンが出してくださるということで、気合も大事だが気合だけでなく科学思考も取り入れてわかりやすく説得力を持たせることを心掛けた。運動だけではなく総合コンディショニング改善を説くために食や座禅についての考察やアドバイスも入れ、ライフスタイル全般への提言とさせていただいている。

私がこの本を書こうと思ったのは日本のリーダー像と世界のリーダー像に大きなかい離があると感じたからだ。もっといえば、現代日本人をリセットして文武両道が当たり前だった古来の日本人の生き方に戻すためである。

織田信長も宮本武蔵も嘉納治五郎も、武道の達人であると同時に科学・戦略的思考・芸術に通じた人物であった。世界でいえば、ギリシャあの大哲学者プラトンもレスリングのチャンピオンだったのだ。

今の時点で、円安が進行しているのは、私の恩師・エール大学の浜田宏一先生が指揮を執るアベノミクスのせいだけではない。アメリカが盛り返し、基本的に日本が停滞したままなのだ。アメリカの再生を主導するリーダーたちは頭だけでなく、心も身体も鍛えられた猛者たちである。バスケット選手であったオバマ、新国務長官になるジョン・ケリーは従軍経験を持つ兵士であった。その他、アメリカ企業のグローバル戦略にアドバイスを送ったマイケル・ポーター、ハーバードビジネススクール教授も全米代表クラスのアスリートであった。スポーツに勝つために競争戦略を編み出したのだ。

日本のリーダー層は運動が足らない。コンディショニングが今一つなのだ。仕事だけ、勉強だけで疲れて、いいアイデアが出ないであろう状態をただすのが本書の役割だと自負している。運動が足らないし、食事や心のケアへの配慮が不十分だから、から疲れやすいし勉強や仕事に行き詰る。前述のとおり、そもそも文武両道は日本人の知恵であったのだ。

今や世界中が文武両道当たり前なのだ。私が世界の名門ハーバード大やエール大では学部でもビジネススクールやロースクールのような大学院でも、出会った連中の中にオリンピックやジュニアオリンピックの選手そしてプロアイスホッケー選手らのバリバリのアスリートが珍しくなかった。加えてアフガンやイラクの前線で銃弾をくぐり仲間を守ってきた軍隊出身者もたくさんいた。

きっかけの源となった風景がある。政治家となって初めてアメリカ出張した時に見たものだ。心からびっくりしたその光景が今でも目に焼き付いている。場所はボストン。時差ボケのまま早朝5時にホテルのジムに。金融街と学生街の中間にあるこのホテルのジムが朝5時から開いていることも驚きだったが、ガラガラだろうと思っていった私はジムの様子にさらに驚いた。

朝からたくさんの老若男女でジムは一杯。時差のボケでもあるまいし、いったいこの人たちは何時から起きて、なんでこんな早くから走ったり、自転車を漕いだり、はたまたウエイトを挙げているのか?

仕方なく彼らのテンションに引っ張られ時差ボケの私も鍛えてしまった。そしたら一日がなんと気持ちいいことか!ジムの受付に聞くと「早朝ほど混む。アメリカのエリートは朝型だから」との返事。この風景がこの本執筆にたどりつく原点であった。

その後久々にアメリカに住むこととなり、アメリカのエリートは例外なく朝型となっていることを再認識。社交は朝食とランチが中心。ビジネスの交流はたいていパワーブレックファストにパワーランチなのだ。夜の接待などはほとんどない。夜にあるのはせいぜいチャリティの家族同伴パーティではなかろうか。労働時間の長い駆け出しの金融マンや渉外弁護士は、長時間労働をさせられ徹夜が多い。それでも彼らは朝型だ。

そして、とにかく、朝から鍛える。最初はなんで朝からあんなに頑張っているのか理解に苦しんだ。

朝から鍛えているのはビジネスパーソンだけではない。学生も教員もなのだ。私が研究員として在籍した、アメリカ東海岸のエール大学では、学部生は全員が寮に入る。17のカレッジのすべての寮に最新のマシンと充実したフリーウエイトを持った立派なジムが用意されている。

アメリカではエリートの集積するところにはジムは必需品という感じだ。大学にほど近かった、私の住んでいたマンションにも当然ジムがついていた。エール大学があるニューヘイブン市は冬季が長く、しかも北海道並みに気温が低く降雪がある。冬場でも外で走れるハワイや西海岸と違って、厳しい気候のアメリカ東海岸だからこそマンションにもジムは必須の条件なのだろう。

私のマンションでもジムは朝から活気にあふれる。もっとゆったりワークアウトしようと仕方なく大学のジムに行っても、授業開始前の生徒や大学関係者で大盛況だ。

アメリカのエリートは朝から鍛えることの意義を知っているようだ。いくら大型スクリーンがついてテレビが見られる最新のマシンでも、ゲーム形式のスポーツと違い、ランニングやウエイト等のワークアウトは地味で辛いものだ。毎朝鍛えることの意義を知っていないと継続してできないと思う。

早朝ワークアウトは、まず脳にいい。朝から大きな筋肉を適度に動かすと記憶をつかさどる海馬の血流がよくなる。血流がよくなると神経細胞が増える。シナプスがつながる。記憶力も頭の回転も良くなるということらしい。脳と身体は連動しているのだ。最新の脳科学によるとそもそも肉体機能の反射が脳の原点だったのだ。肉体を鍛えることと脳を鍛えることは切っても切り離せないのだ。これはこの本の背骨にあたる考えである。

次のワークアウトはの効用は、外見の向上。アメリカは第一印象重視の社会だ。自己管理ができなければリーダーになれない。自己管理の証拠としてフィットしたカラダが必要なのだ。脂っぽい肉料理ややたら甘い糖分過多気味のスナックが溢れるアメリカで管理された肉体を持つには、早起きして自分の時間を作って鍛えるしかない。これは日本でもよく知られた話だ。

さらに、ワークアウトは病気や怪我に強い体質作りにつながる。コンスタントな競争社会アメリカで病気や怪我は、生産性を落とし、時間の無駄につながる。筋肉が増えると代謝がアップし、太りにくくなる。脂肪分が多いアメリカの食べ物に囲まれて体型を保つにはそのための努力が不可欠だ。血流を良くして内臓を鍛えることにつながる。これで病気や怪我にも強くなる。

頑強な身体を作って時差に強くなることもある。アメリカのエリートは国内の時差とも欧州やアジアとの行き来の時差にも強いカラダつくりを目指す。カラダを疲れさせることは、眠りを深くする効果がある。

コツコツと走ったり、ウエイトを挙げる作業は折れない精神力も鍛えてくれる。世界中から多様な人材が押し寄せる大競争社会で必要なのは、カラダの丈夫さだけでなく精神の強靭さもである

もちろん、異性の目も意識している。日本では細マッチョなる痩身であることが異性へのアピールなのかもしれい。しかし、欧米だけでなく、中国や韓国等。日本以外では、適度に筋肉がついていないと異性の好感度はダウンだ。

私が学び、研究生活も送った母校エール大学には世界第2位の大きさを誇るという7階建ての体育館がある。ペイン・ウィットニー・ジムと呼ばれるスポーツ施設で、1926年の卒業生ウィットニー氏が、父親をたたえて建物を寄付して建てられたものだ。宗教施設の建設を望んだが、大学側が運動施設を希望したため、せめて外見だけでもその(宗教施設)ようにと、巨大な教会のような外観を有している。まさか中がスポーツ施設とは想像しにくい。

7階建ての建物内にはオリンピック公式サイズの競泳用プール、ジョギングトラック、フィットネスルームはもちろん、柔道場、フェンシング場、競技用スカッシュコートといったあらゆる設備が完備されている。もちろん全館冷暖房完備の豪華さだ。勉学で忙しいにもかかわらず、早朝から夜遅くまで、数多くの学生や教員が出入りして思い思いに汗を流している。

彼らと話してみると単に鍛えるだけでなく、瞑想やヨガや禅をやっている人も多い。競争が激しく遠距離の移動の多いアメリカのリーダーたちは心のケアも怠らない。この本で取り上げている座禅にしても今やニューヨークが本家である。中でも金融やメディアやエンターテイメントといった業界を牛耳り、世界を動かすユダヤ系の人々の間では座禅が大流行。ダボス会議に行くよりニューヨークの禅道場に通う方がいい人脈ができるといわれるくらいだ。

加えて食事にも最高に気を使っている。アメリカの食事と言えば肉と脂を連想するが、実はほとんどのレストランでベジタリアンのオプションがある。しかも、ベジタリアン人口が意外に多く、その歴史も長いアメリカでは、誰にでも続けられ楽しめるベジタリアンが普及しているので想定以上に美味しいのだ。

プロテインやアミノ酸を短時間で美味しく補給できる食品や飲み物も大学からスーパー、コンビニまで街にあふれている。食事や栄養補給のオプションの多さでは日本はまだまだ後進国だと思う。

彼らの最高のパフォーマンスをコンスタントに出すために、常日頃からコンディショニングに最大の配慮をして努力を積み重ねるひたむきなに大いに触発された。その姿の背景にある科学的な理論にも学んだ。コンスタントに高い成果を出すためにライフスタイルをデザインしている彼らが政界や学界をビジネス界を引っ張るわけだからアメリカは強い。日本にも優秀な人材は多いが、コンディショニングへの配慮についてはもう一つだ。

帰国した今、日本のリーダー層との付き合いを再開しているが、若い世代はコンディショニングへの意識は高まっている。彼らのこの本への期待は高い。もちろんこの本を通じて、彼らの期待に応えたいが、この本は上の世代の方々にも手に取っていただきたい。日本はこれから未曾有の超高齢化社会を迎える。活力ある持続可能な高齢化社会を設計するためには、多くの日本人が長い人生を最高のコンディションで送ることが欠かせない。

この本が日本のあらゆる世代が最高のパフォーマンスを継続してたたき出すためのコンディショニングに貢献できればこれ以上の幸いはない。

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