それぞれの官庁について思うところ ~官庁訪問で悩む人へ~ --- うさみ のりや

2013年05月09日 18:28

この前官庁訪問先に悩める学生君と飲んだので、その時に述べたことをつらつらと。


○ 今の政治は厚生労働省と総務省の自治部門を中心に回っている。(既に詰みかけてるが社会のインフラとなっている)社会保障と地方自治制度を維持するというお題目のもと、財政政策も産業政策も展開されている。それを見誤っては行けない。

○ 端的に言えば厚生労働省と総務省の自治部門の仕事は末期症状の患者の延命治療を続けているようなものだけれど、後継ぎが出来るまではそれを続けざるを得ないという意味で(潰しがきかないが)とても大切な仕事をしている。まさに公務員でしかできない仕事領域で、黒子中の黒子でかつ今後バッシングにもさらされるだろうが、それに耐えられる人は是非そこで頑張ってほしい。まさにその身を国の為に犠牲にするような仕事で、そこに喜びを感じられる奉職精神がないと勤まらないだろう。

○ 財務省や外務省は全体の事情を考慮してやりくりをしている受け身の立場で「黒幕」という訳ではない。彼らが全体を仕切っているというのは大いなる勘違い、事情に併せて財政上、外交上の制約条件をつけているだけで彼らは別に司令塔ではない。一歩引いて物事を冷静に見られる参謀のようなタイプにあった職場だろうと思う。

○ 経産省はそろそろミッションを定義し直すべき時期が来ているんじゃないかと思う。経済がグローバルな分野と国家に依存する分野に分かれてきて、前者に関しては手を出せなくなったけれど、反作用として後者の領域の国家の重要性が増している。具体的には、資源。エネルギー、電力、軍需、インフラ、ITセキュリティなど。またブロック化が進むなかで通商交渉で知財の扱いが重要な論点になって来ているので、通商部門と知財部門の連携も大切になって来ていると思う。他の中小企業や商店街政策を駆使しつつ、ナショナリズムとグローバリズムのバランスを取ることが本来の役割だと思うのだけれど、「GDP成長」を未だに省の目標と掲げているのはそろそろ時代にそぐわないんじゃんなかろうか。

○ 国交省はデカ過ぎて、自分達のミッションがわからなくなっていて結果、現場に引きずられ過ぎるか、若しくはトップの見当違いの指示に惑わされるか右往左往しているような感じがする。分解してミッションを再定義した方がいいと思う。ただ今後インフラの更新時期が来るなり、北極海航路が開けてくるなり、尖閣・竹島方面の海上保安の重要性がまして来るなりで担当している職務が大切なことは間違いないので仕事の重要性はかわらない。観光に熱を上げるのは「??」と個人的には思っている。

○ 防衛省に行けば潰しがきく人生が送れると思う。国防という観点を本格的に学べるのは、防衛省くらいなので、問題意識をきちんと持ち続けていればいざ辞めたくなっても商社やITセキュリティーの会社にいけるんじゃなかろうか。

○ 警察庁は別にわざわざ説明するまでもないと思うけれど、極端なピラミッド組織なので若いうちは兵隊に徹する覚悟を持つ必要がある。

○ 農水省もミッションが不明確で中で働いている人がしんどそうだった。食料自給率向上や日本全国の農山漁村の活性化なんてどだい無理な話。結果として農業の多面的機能を重視する議論をしすぎて、環境省と役割分担がよくわからなくなって来ていると思っている。いっそのこと環境省と一緒になったほうがいいんじゃなかろうか。逆に言えば環境省は広報ばっかしてて中身がともなってないんで、お互いに取ってwin-winなんじゃなかろうか。ちなみに農水省はJAと結託しているというようなイメージで見られがちだけれど、結託しているのは政治の側で、農水省の職員自体は中立的かむしろ改革派の人の方が多いということは世の中に意外に知られていない事実。

なんだか疲れたのでこの辺で。他の省庁の方々ごめんなさい。ま~全部無責任な個人的思いですが、一応霞ヶ関の中にいて色々見たものの意見として、学生諸君は参考にしてください。

ではでは、今日はこんなところで。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~」2013年5月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~をご覧ください。


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