アメリカはんは、何を怒ってはるのか --- ヨハネス 山城

2013年05月28日 06:00

ヤバいな、と思っていたことが、案の定、事件になってしもた。

「米軍内の女性兵士への性暴力はすごい状況で、オバマ大統領も激怒している」5月26日の橋下市長の発言や。翌日に、海外報道陣のインタビューを控えている身で、ええ度胸やなぁ。と思っていたら……辞任話まで出てきたがな。


一連の市長の発言の趣旨は、「日本国内の米兵の性非行を防止するため、合法的な性風俗店の利用を、米軍は推奨すべきだ」ということに尽きるやろ。本人はいまだに、ヤバさに気がついておらんようやな。

ひとことで言うて、この発言は「お節介」や。他人の問題に、頼まれもせんのに、他人の問題に介入することを「お節介」という。ただし、許容される場合が二つだけあると思う。ひとつは、いずれ当事者になる明確な可能性がある場合。もう一つは、当事者が知らない、特別な解決策を提示できる場合や。

いくら風俗好き(違うとは言わさんで)の橋下はんでも、自ら、米軍の傭兵部隊に入って存分に遊びたい、ということは、さすがにないやろ。市長として、「大阪の女性の脅威が問題や」というのも無理な理屈や。日本に、市長、何人おると思う。皆が皆して、沖縄の米軍のことを言い出したら、混乱するだけやろ。「特に大阪が」、という理由はないはずや。那覇や糸満の市長をさておいて、言うことではないやろ。

「おれは、他の政治家が口にしないことを、あえて言った」とドヤ顔するつもりなんやろけど、事の善悪は別にして、こういう発想を米軍関係者が、もともと知らなかった訳がないがな。

「なるほど、市長閣下、よいことをお聞きしました。これからは、積極的に将兵一同、風俗店を利用するであります」となる筈ないやないか。新規性ゼロ、ベタで差し障り満載のアイデア。つまり、完璧なお節介や。

アメリカは個人主義の国や。いくら軍隊とは言え、性というプライバシーの中枢に他人が介入するのには抵抗が強い。「ジョン(英語版「ヨハネス」)二等兵。貴様、最近、同僚女性を見る目が変だぞ。小遣いやるから、遊んでこい。ただし合法的にな」というのでさえ、今時、有り得ないやろ。ましてや、軍が組織として、兵士の性に、「推奨」という形にしろ介入するなんぞ、とんでもない話や。

それに、これをやってしまうと、店内外での兵士の行状に、軍としての責任が生じる。有り得んこと限り無しやな。

最も大切なことは、沖縄にいる膨大な数の将兵は、当然ながら性非行など、一切やらへん。かなり数が多いとは言え、あくまで「一部の不心得者の問題」や。ところが、旧日本軍の慰安婦問題なんかと一緒くたにして、軍人一般の話にされたら、真面目な兵隊さんたちは、立つ瀬がない。

「兄ちゃん、何考えてるか分かってるで。やせ我慢せんと、遊ばんかい。」かなり気分の悪い言われ方やが、風俗店の呼び込みのおっさんなら、営業トークの範囲や。ところが、何の関わりもない、大阪の市長が言えば、かなり純度の高い侮辱になる。「女性兵士への性暴力はすごい」……うわぁああああ、やめてくれぇええええ。

それにしても、米軍は洗練されていて行儀がええなぁ。「大阪を火の海にする」と言われへんかと思って、ワシ、心配やった。米軍はん、大阪のもんが皆、こんなこと考えているんと違いまっせ。あくまで「一部の不心得者の問題」でっせ。「無人攻撃機」の設定は慎重に頼むで。くれぐれも、旧ユーゴであったような誤爆は避けてもらえんかのう。

ヨハネス 山城
通りがかりのサイエンティスト

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