事故を経験した日本の原発は有望な戦略ビジネス技術 --- 岡本 裕明

2013年06月07日 11:00

日本では原子力発電と聞いただけで拒否反応を示す人はいまだに多いと思います。事実、民主党政権下では原子力発電を日本から消え去る勢いでありました。しかし、電力各社は国と協力しながらより安全な稼動が出来るようあらゆる努力をしてきました。それは頑張らなくては電力の安定供給に黄色信号がともる、という企業の悲鳴とあせりがより高い安全性の追求を実現させつつあるのだろうと思います。


一方、自民党も電力の安定供給は日本の社会を守り、経済を守り、人々に安心を与えるためにも絶対に必要であり、原子力発電はその一環を司る重要な役割を持つという認識をしています。結果として政府機関と電力会社がさまざまなハードルを乗り越えるべく準備を進めています。

今の流れでは北海道泊、四国の伊予、九州の川内、関西の高浜が夏から秋にかけての再稼動申請に向かうと思われますし、その後もいくつか続くものと思われます。

今回の再稼動は東電の福島原発の事故を受けて徹底的な検証と安全対策が施されているところに意味があるかと思います。専門的なことは譲るとしても少なくとも「想定外」のレベルを格段に引き上げると共に安全対策の漏れを防ぐことが組み込まれています。これらの動きは福島原発の教訓が生かされているからに他なりません。

結果として日本の原発は計画、施工、運営に於いて世界でも格段のレベルに達することになります。もともと、原発の製造能力についてはウェスチングハウスを傘下に持つ東芝をはじめ、三菱重工、日立と世界レベルの原発企業が三社ある上に協力メーカーとしても日本製鋼所や木村化工機など世界レベルの会社が並んでいます。

先般のトルコにおける原発受注も逆転に次ぐ逆転劇でしたが、その理由は福島の教訓だったという報道もありました。現在の焦点はインドに移ってきていますが、こちらも安倍首相のトップ営業で受注に一歩でも近づけるよう努力しています。

更に工業化が進む東南アジア各国ではもともと人口が多く電力のインフラが十分でなかったところに日本企業などが大挙して工場進出などを進めているため、圧倒的な電力不足がおきつつあります。先日もフィリピンに滞在していた際、2度ほど停電を経験しましたが、何が困ったかといえば、パソコンが落ちてしまうことでしょうか?(私はバッテリーは重いのではずして持ち運びしているため、停電はデータが即消えるという状況になります)ましてや工場などはバックアップ(非常電源)があるとしても早期の安定電力供給は欠かせない国家の基礎であることは間違いありません。

そうなればより安全な原発を提供という点で日本は圧倒的に有利であり、かつ、地震国であのような試練を経験したことがゆえに世界から見れば頼りになる、とも言えるのだと思います。

もちろん、長期的には原発を残すのかという問題は更に検討しなくてはいけません。リサイクルのプランも十分に確立していないままで作りながら考えるというのもどうかと思います。日本はそういう意味で原発先進国として世界のリーダーシップをとれるようリポジショニングするというのも考え方としては重要ではないかと思います。

原発は経済的便益だけでなく安全に動く限り、人々にすばらしいライフを提供していることは事実だと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年6月5日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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