中国へ接近せざるを得ない韓国の裏事情 --- 岡本 裕明

2013年07月01日 11:54

韓国朴槿恵大統領が中国を訪問、習近平国家主席と長時間にわたる会談を行い、両国の相思相愛ぶりが報道されています。習国家主席は先般、アメリカでもオバマ大統領と異例の長時間にわたる会談で世界の話題をさらっておりました。そこに見え隠れするのは習国家主席の巧みなる味方作りの下地準備でしょうか?


一方、韓国側も今回、中国には大規模な経済代表団を同行させ、同国最大の経済パートナーとなった中国と更なる密接な関係を築き、韓国経済建て直しの原動力としたいという意図がはっきりと見えています。

日本と韓国の間に取り決められている通貨スワップのうち、7月3日に130億ドルのうち30億ドルの期限が到来しますが、その延長をせずに打ち切りとすることとしました。日本は韓国の出方を待っていたわけですが、韓国側から延長に対する要望がなかった、ということのようです。

その不足を補うように中国と韓国は両国間の2014年10月期限の通貨スワップ協定を3年延長することを決め、更に拡大についてもフレキシビリティを持たせるとされています。韓国の李明博前大統領が対米関係重視派であったことに対して朴大統領は戦略的パートナーを増やすという方針の中、中国にその期待をしています。

中国としても地理的に両国間にある北朝鮮を抱える中、韓国との関係強化はアジアでの地位を安定的にするためには重要であり、両国のトップが替わった今、絶好のチャンスであります。更に中国、韓国には日本という共通の意図するターゲットがあることも事実です。今回の両国間の共同声明でも、「最近の歴史などの問題で(北東アジア)域内国家間の対立と不信が深まっており、憂慮を表明する」(日経電子版)と指摘しています。

中国、韓国からすれば安倍政権の日本が再び活力を取り戻しつつあることにやっかんでいることは事実です。韓国の経済は引き続き痛んでおり、輸出頼みにもかかわらず、その先行きは楽観視できる状況にはありません。ましてや国内の住宅、建設など内需は厳しい状況にあり、GDPの伸び率も四半期ベースで0%台が続いています。

しかし、日本にだけは「物乞い」したくないというひねくれた発想が表面化したことで結果として中国にその将来を託さざるを得ないということかと思います。

その中国も磐石とはいえません。表面化しそうでしない国内問題はそのベールがいつほころび始めてもおかしくないとする向きも多いのです。結果として両国はアメリカとは一定のリスペクトを持って外交が進んでいます。が、それはとりもなおさず、同盟国の日本の立場をアメリカが擁護することになり、日本抜きのシナリオはないともいえるのです。

日中首脳会談案も「尖閣条件提示」があったという報道もありますが、そうなればなるほど、政治レベルでは今の日本は冷めたものになってしまうといわざるを得ません。それは中国、韓国の外交上、正しい戦略だったか我々はもはや、見守るしかないのでしょうか。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年6月30日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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