ボーイング787に期待すること

2013年07月13日 15:50

この前のエントリーで主張したこととは矛盾するようだが、僕はボーイング787には大きな期待も寄せている。

それは言うまでもなく、ボーイング社が787型機のバッテリー発火の真の原因を探り当てて、根本的な改善をすることである。

それが行なわれた後、日本航空か全日空のどちらかが787を投入して、ぜひミラノ-東京便を復活させてほしい、とも実は僕は密かに願っている。


日本航空は2010年10月、長年運航してきたミラノ-成田便を閉鎖した。放漫経営のツケを回したのである。

僕は長い間JALのミラノ-成田直行便に乗って帰国し、またイタリアに戻ることを繰り返してきた。日本航空が同路線を撤退した後は、常にアリタリア航空の直行便を利用している。しかし、正直なところ、日本の航空会社の便に乗りたい。

ボーイング777によるアリタリア航空便のサービスは悪くはないのだが、日本航空のきめ細かいサービスを知っている者には、やっぱりちょっと物足りないように思う。

日本航空が撤退してからのアリタリア航空のミラノ-成田便は、同社のドル箱路線の一つになっている。常に満席状態と言っても過言ではないのだ。

日本航空は経営破綻から立ち直って黒字を出すまでになっているようだが、それは公的資金を使って、いわば誰でも収益を出せる路線だけに集 中して運航をしたからで、赤字路線や収益の少ない路線を経営努力で黒字にしたり、利益を大きくするなどの頑張りがあったわけではないように見える。

企業なのだから、もちろんそれは誰にも文句を言われる筋合いのないりっぱな動きである。利益を出さなければ企業とは言えないのだから。

経営を立て直した日本航空は、今度は真の企業努力をして、ミラノー東京便を復活させてほしい。もちろん全日空でも構わない。

同路線は前述したようにアリタリア航空のドル箱ルートになっている。

日本航空か全日空が参入すれば、客を奪い合うことになって今のアリタリアのようにほぼ全便が楽に満席になる(ように見える)、ということにはならないだろう。

しかし、日本の航空会社には「もてなしの心」に満ちた世界に冠たるサービスのノウハウがある。それを効率良く活かしながら燃費の良いボーイング787を投入すれば、必ず利益の出る路線になるのではないか。

ミラノ-成田便の場合、僕が自ら何度も搭乗して見た限り、9割以上の客が日本人である。もしも日本の会社が直行便を運航していたなら、彼らの多くもそれを利用したいと感じるのではないか。

企業の論理とは別の意味でも、僕はやはり日本の航空会社の参入を期待したい。

と言うのも同路線の復活は、ちょっと大げさに言えば国威発揚の機会になると考えるから。

外国の空港に自国の航空機が駐機している姿は、やっぱりちょっと誇らしいし、それは外国の人々の目にも印象深く映る。日本が元気を無くしている今こそ特に、そうしたささやかな「元気の元」も大切なのではないか。

そんなポジティブな事態が、ミラノ-東京路線に限らず世界中の空港に招来することを期待する意味でも、ボーイング787のバッテリー問題が一刻も早く根本解決に至ることを願いたい。

仲宗根雅則
テレビ屋
イタリア在住

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