ベルルスコーニの終りの始まり?

2013年08月01日 04:52

2013年8月1日、イタリア最高裁(破毀院)でベルルスコーニ前首相の脱税事件への判決が言い渡される。

可能性が3つある。

1.無罪放免
2.判決の先延ばし(詳細部分の審理やり直し等の理由で)
3.有罪


1.の場合は言うまでもなくベルルスコーニ氏の大勝利。イタリア政局は安泰。
2.の場合は文字通り結論の先延ばし。少なくとも数ヶ月は政局安泰。
3.の場合はイタリア政界にビッグバン襲来。上を下への大騒ぎになって、レッタ連立政権が一気に崩壊する可能性が高くなる。

イタリアのエンリコ・レッタ民主党政権は、ベルルスコーニ前首相が率いる中道右派の自由国民との連立で辛うじて命脈を保っている。左の民主党と右の自由国民は元々は天敵同士。面従腹背、同床異夢のアカンベー連盟である。何かあれば互いに足元を掬おうと身構えながら、内閣を構成している。

そんな間柄だから、自由国民党首のベルルスコーニ氏が有罪判決を受けた場合、民主党内から激しい拒絶反応が出て連立解消、たちまち政権崩壊というシナリオが十分に考えられるのである。

そうなるとイタリアは再び政治混乱に陥り、第二次大戦後最悪とも言われる大不況・財政危機がさらに深刻化して、それはEU・ヨーロッパ連合にも飛び火して行くだろう。それを避けるためにイタリア国内からも、また密かにEU各国からもイタリア最高裁に圧力がかかって、3.を避けてしかし流石に1.は余りにも見え透いていてマズイので、結局2.の玉虫色の判決に落ち着く・・・

というのは、僕の勝手な憶測、妄想である。でも、それは結構イタリア的な政治手法であり大人の処世術でもあるのだ。三権分立の一角である司法に政治が介入するのはどの国でもありふれた現実だが、イタリアの場合はそのからくりを隠そうとしないところが特徴。だから面白い。何事につけ玉虫色の落としどころを追及するのはわが日本のお家芸だが、イタリアも中々捨てたものではないのである。

もしも

1.になった場合は、僕は個人的には呆れ果て腹を立てると思うが、ベルルスコーニ氏の事件裁判は未成年者買春疑惑を筆頭にこの後も目白押しなので、どこかで何らかの鉄槌が下ることを期待したい。

2.になった場合は、やっぱり・・・

3.になった場合ベルルスコーニ氏には、4年の禁錮刑と5年間の公職追放命令が
言い渡される。つまり彼はその瞬間に国会議員の地位から転がり落ち、しかも5年間
は選挙に立候補できない。ただのヒトになる訳である。そのインパクトはここイタリアでは巨大なものになる。

付記しておくと
4年の禁錮刑が確定した場合、3年が減刑されてベルルスコーニ氏は1年の禁錮刑に処される。しかし、70歳以上の罪人は刑務所には収監されず、一年間の社会奉仕活動か又は自宅監禁という形での贖罪ができる。76歳のベルルスコーニ氏はこれに該当するが、彼は有罪判決が出た場合、刑務所で罪を償う、と公言している。これはレッタ内閣や最高裁への牽制発言と考えられる。彼は自らが断罪された場合の社会的な衝撃を知悉していて、政界や司法に揺さぶりをかけているのである。

また求刑5年間の公職追放令は、恐らく3年に短縮され且つそれは議会の承認を必要とする。

仲宗根雅則
テレビ屋
イタリア在住

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