消費税増税の提言

小幡 績

実は、消費税引き上げを5%⇒8%ではなく、5→6→7→8→9→10と毎年1%ずつ漸増させるべきだと主張したのは、私が最初だったと思う。

昨年からずっと主張している。

それは、97年の3%から5%引き上げ当時、私は大蔵省主税局調査課で、税制の経済への影響を担当していたからだ。


駆け込み需要は、予想されるよりも常に大きく、その反動減は、必ず駆け込んだ量よりも大きくなる。反動減の方が圧倒的に大きいのだ。

5から8でも、要は倍。15%から18%の引き上げなら高々3%ということになるが、7兆円の増税、というインパクトよりも、消費税がほぼ倍になる、というイメージがものすごく大きいので、駆け込みも反動減も予想を上回る大きさとなるだろう。

だから、必ず景気は悪くなるので、止めた方がいい。

しかし、消費税増税は必要なので、逃げることは出来ない。財政構造、社会保障からいって避けられない。

したがって、景気とは関係なく、毎年必ず1%ずつ引き上げるというスキームにするべきだ。

この案は、昔の主税局の先輩方には怒られるかもしれない。徴税コスト、納税コスト、混乱が大きいと。しかし、それは1兆円には決してならない。駆け込み需要とその反動減による経済の混乱の方が大きい。

そして、増税延期というシナリオは財政破綻を確実にするから、最悪のシナリオであり、それを避けると言う意味でも1%ずつの増税はセカンドベストだと思う。

よって、毎年1%ずつの増税を提案する。