米国のシリア介入の先にあるもの

アゴラ編集部

どうやら混迷が続くシリア問題で、米国が重い腰を上げそうになっています。シリア紛争における化学兵器使用については、アサド側が使った、いや使ったのは反政府側のほうだ、と非難合戦が続いていました。しかし、米国のバイデン副大統領がアサド側が使ったと明言し、オバマ大統領が英国のキャメロン首相と電話会談。シリア問題に対する対応を協議したようです。また、米国はシリアへ肩入れするロシアとも話をしている様子で、今後どうなるか予断を許さない状況です。


一方のシリア側は、米国の攻撃があれば徹底的に抗戦する、と言っています。数日中にも米軍がシリアへ警告のミサイルを打ち込む、という話もあるんだが、本格的な介入はしないでしょう。シリアの反政府軍は劣勢であり、化学兵器使用疑惑についても米国に説得力はありません。イラクが大量破壊兵器を持っている、と主張した米国が同国へ侵攻し、フセイン政権を倒したが、結局ナニも出てこなかった、ということを世界中がよく知っています。

表題ブログでは、単なるアサド体制への警告のためだけにミサイルを撃ち込むとしたら、それは「大きな悲劇」と書いています。「パンドラの箱」を開けるような結果になるのでは、と危惧している。シリアから中東全体へ紛争が拡大し、手のつけられない状態になりかねない、というわけです。逆に言えば、シリアやロシアはそうした状況を人質にとっている。ムバラク体制を倒して民主的な選挙で選ばれた政権もクーデターで追われたようにエジプトも混乱しています。大国や周辺諸国の様々な思惑が交錯し、シリアはますます混迷の度合いを深めていくようです。

中東の窓
シリア情勢(27日)


財政の崖に戦争特需
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人間というのは「ケとハレ」を背景にし、溜め込むと「蕩尽」する行為を繰り返す生物らしいんだが、余剰生産物が余り過ぎるとそれをどうにかして消費しなきゃなりません。戦争も蕩尽の一環だ、という人もいます。しかし、核兵器が出現し、かつてのように派手な蕩尽もできなくなった。せいぜいシリアへミサイルをブチ込むくらいが関の山です。

アプリ経由の売上が15億円突破 タクシー業界の“スマホ新戦略”「タクおじ」が話題に
EXドロイド
タクシーの相乗り、というのは、デフレ時代の賢い移動方法です。4人で割れば電車で行くのと値段的にはそう変わりません。アプリの世界もタクシー向けが大流行だそうで、ここで紹介されている「タクおじ」なるアンドロイドアプリは、日本交通が作ったもの。こういうのには「全国タクシー配車」という、日本中のタクシー会社をまとめたものもあります。便利そうです。

ヤマト運輸「高齢者の賃金維持」は美談なのか? またしても割を食う現役世代
キャリコネ
人口構成が逆ピラミッドになり始め、この傾向は少なくとも30年くらいは続くようです。この先、何十年も若い世代は高齢者を養っていかなきゃなりません。核家族化が進んでるので、子どもや孫では難しい。企業を含めて社会全体でこうしたことをやらなきゃならないわけです。そりゃ海外へ本社を移転したり富裕層がシンガポールへ出て行ったりするわけだ。日本に残るのは中小企業と貧乏人ばかりになり、さらに社会の負担が増え、財政再建も放り出し、手をこまねいたまま破綻の日が近づいてくるのを座視しているだけなんでしょうか。

#そうかえん (富士総合火力演習)に行ってきたよ!
ギズモード・ジャパン
入手困難なレアチケットになってしまった陸上自衛隊が富士演習場で毎年行っている「総合火力演習」略称「総火演」の観覧券なんだが、今年も悪天候にもかかわらず、かなり盛り上がったようです。この記事で紹介されている10式戦車ってのは、2009年に正式採用されたばかりの最新鋭国産主力戦車。約1万8000カ所の日本国内の主な橋梁、84%を通過できるだけの軽量化が計られているそうです。搭載している主砲、44口径120mm滑腔砲は、ドイツのラインメタル社からライセンスを受け、日本製鋼所が作っています。10式の前の主力である90式、ドイツのレオパルト2、米国のエイブラムスなど、多くの国で主力戦車の主砲に採用されているらしい。ただ、日本製鋼所製の砲身は、新開発の徹甲弾の仕様により強力な55口径の120mm砲と同等もしくはそれ以上の威力がある、とのことです。


アゴラ編集部:石田 雅彦