連載しているサイトがなくなった ネットニュースって「大杉」ないか?

2013年09月07日 10:06

春に有料メルマガを廃刊したばかりの私に、また事件が起こった。連載「一番すげえのはサラリーマンなんだよ」を担当していた、仕事大好きな会社員のためのサイト「THE WORKAHOLICS」が終了することになったのだ。また仕事がなくなった。私には明るい未来が見えない。

ネットニュース界のこれからを考える。


このサイトを運営するニフティの担当者から、同サイトが終わることは今年の6月には聞いていた。誠意のある説明だった。いきなり、メールで「連載終了です」と言われることもある中、心がこもっていた。

同サイトは、タイトルどおり、仕事好きの会社員に特化したサイトとして注目を集めていた。日経MJに取り上げられたこともあったような。

しかし、「豪華連載陣」として嶋浩一郎氏、中川淳一郎氏などが名を連ねたものの、皆、仕事好きで忙しいが故にか、このサイトへの寄稿頻度が落ちていった。

正直、だんだんネタがなくなっていった感も否めない。会社員にはいつもドラマがあるわけなのだが、だいたい1年書くと、ネタが尽きていく。いや、この4年くらい「就活の栞」という就活関連サイトをやっているのだが、1年くらい書くと、ほぼ書き尽くした感じになり、毎年、同じようなネタになってしまう。就活の場合、毎年学生が入れかわるし、その年の変化もあるから書けるのだけど。

振り切ったテーマのサイトではあったが、であるが故の難しさを感じた次第である。もちろん、運営側も書き手も反省すべき点はあるのだろうけど。

ふと書き手としても、読み手としても考えてしまった。最近、ネット上のコンテンツが、昔の2ちゃんねる風に言うならば「大杉」ないか、と。

もちろん、ネット社会とは、いまや古い言葉ではあるが、高度情報化社会であり、情報過多時代である。ただ、ニュースサイト、オピニオンサイトが乱立して、しかも相互配信されて(これも良いことではあるが)、同じような情報があふれる世の中になっている。情報の質、信頼性は常に玉石混交だ。

今回、終了する「THE WORKAHOLICS」は、テーマ特化型ではあったし、そのサイトの目的を達成した瞬間、なくなるものではあったが、今後、ニュースサイトなどでも存在意義が問われる時代にならないか、情報の質が問われる時代になるのではないかと思っている。

こういうことを言うから、「若き老害」というニックネームがついてしまうのだが・・・。私は旧来のメディアを秒速で再評価している。例えば、新聞だ。ページ数が限られているが故、数々のボツ記事があるわけで。約40ページの中に、記者が取材して、様々なチェックを経た記事が載るわけだ。

もちろん、記者クラブ問題だとか、広告主や権力との関係から書けないだとか、体質が古いだとか、そういう批判もあるが、そんなものはよく分かっている。付き合い方を工夫すればいいだけだ。

玉石混交のネットニュースとソーシャルメディアは情報の多様性も生んでいるが、気をつけないと、情弱の、情弱による、情弱のためのニュースになってしまう。

今後、淘汰は起こるだろうし、起こってしかるべきだと思うのだ。

というわけで、言ってみれば、ニフティが運営する1サイトが閉鎖されるだけの話ではあるのだが、今後くるサイト淘汰の波を予言しているような気がする。

ネット社会というのは、常に新しいものを礼賛するわけだが、一時、このサイトは編集者の間や、熱心な読者にカルト的な支持を得ていたわけで。言い方は何だが、こういう「失敗」や「撤退」劇にこそ学ばなければならないし、変化を感じなければならない。

読者の皆さん、サイトに関わった皆さん、ありがとうございました。



なお、私の連載はちょうどサイト終了にあわせるかのように、大幅に加筆・修正し、イラストレーターそでづくえさんのイラストも加え、『21世紀型サラリーマン ウハウハ処世術』という電子書籍になったので、よろしければ手にとってほしい。

ハフィントン・ポスト、なくなりませんかね。

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常見 陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師

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