FOMC直前レポート(2)ウォールストリートは縮小幅150億ドルと予想 --- 安田 佐和子

アゴラ

米連邦公開市場委員会(FOMC)直前といえば……お待ちかねCNBCによるウォールストリート関係者を対象に行う世論調査です。前週12~13日に行った9月分のFedサーベイ、今回の内容を見ていきましょ。

1)FRB議長の後任人事(※同質問事項のみ、急遽16日に実施)

→イエレンFRB副議長 88%、コーン前FRB副議長 6.3%

サマーズ元米財務長官が戦線離脱しサマーズ・ラリーを演出した後は・・やっぱりイエレンFRB副議長を予想する見方が圧倒的です。

※重要ポイントとして、イエレンFRB副議長は長らくのブランクを経て、10月1日にNYエコノミクス・クラブで講演します。もしかしたら、FOMC後、イエレン副議長の講演の前に指名があったりして!?

2)量的緩和(QE)縮小時期

→ほぼ半数の48%が9月を予想

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10月は28%、FOMCの予定がない11月に4%とは、緊急会合を想定しているんですかね。(ご参考:米8月雇用統計後は9月が42.9%、7月FOMC直前のFedサーベイ時点では48%)

3 )QE縮小幅、縮小の対象

→47%が150億ドルを予想

(ご参考:平均値は145億ドル、米8月雇用統計直後の126億ドルから増加、7月直前のFedサーベイ時点では192億ドル)

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→縮小のうち72%が米国債、28%が住宅ローン担保証券

4)資産買入を終了する時期

→2014年8月(ご参考:7月FOMC直前のFedサーベイ時点から変わらず)

5)マーケットの織り込み度

→債券相場は81%、株式は70%が織り込み済みとの回答

6)米10年債利回り、S&P500の予想

→2013年の場合……米10年債利回り は3.02%、S&P500は1685p

(ご参考:7月FOMC直前のFedサーベイ時点では米10年債利回りが2.73%、S&P500は1691p)

→2014年の場合……米10年債利回りは3.39%、S&P500は1752p

(ご参考:7月FOMC直前のFedサーベイ時点では3.10%、S&P500は1751p)

7)成長率予想、リセッションの確率

→2013年成長率予想は2.0%、2014年予想は2.6%

(ご参考:7月FOMC直前のFedサーベイ時点では2013年が1.9%、2014年は2.5%)

→リセッションの確率は16.9%、7月Fedサーベイ時点の16.2%から上昇も低水準をキープ

8)FF金利見通し

→2014年末 0.21%(ご参考:FOMC6月時点の平均値は0.43%)

→2015年末 0.92%(ご参考:FOMC6月時点の平均値は0.87%)

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9)失業率が6.5%に達した後のFOMCは数値目標を変更するかどうか

→変更するとの回答は44%、変更しないとの回答は51%

(ご参考:7月FOMC直前のFedサーベイ時点は「変更する」との回答が30%、「変更しない」との回答は60%)

10)失業率の数値目標を変更する場合

→予想平均値……6.04%(ご参考:7月FOMC直前のサーベイ時点では6.23%)

11)シリア軍事介入の確率

→ほぼなしとの判断、3分の2がいかなる軍事行動も支持せず。

→仮にオバマ政権がシリアに介入した場合、株式相場は5%下落へ

12)債務上限引き上げ協議

→ほぼ半数が前回どおり難航すると予想、25%が前回より悪化と予想

→債務上限引き上げ合意に到達せずとの予想、わずか10%

以上、いかがでしたでしょうか?失業率が数値目標である6.5%に達した時点では、数値目標を引き下げるとの見方に傾いているんですね。質問事項には他の手段が含まれていなかったので失業率以外の手段を加えると、こちらのようにもっと具体的な予想が浮き彫りになったことでしょう。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年9月18日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。