テレビ局のコネ入社を“見える化”する方法

2013年10月04日 07:00

みのもんたさんの二男の日テレ社員が処分保留のまま釈放された。
世間を騒がせたのは、大物司会者の息子が仕出かしたという事件の衝撃に加え、テレビ局の“コネ入社”がクローズアップされたことも大きいだろう。


※今なお就活で人気のテレビ各局(wikipediaの画像を合成)
131004テレビ局

●絶えない“コネ”の噂
みのさんの息子さんがコネ入社だったかは分からないが、ネット上では以前から著名人の子息やスポンサー企業の経営陣の肉親がアナウンサーや一般社員として勤務している状況を指摘し、コネ疑惑を追及する意見が絶えない。事実、みのさんは長男もTBS勤務。入社が極めて難しいテレビ局に兄弟がこぞって勤務していたという事実から、憶測が広がってしまうのも無理はないだろう。

どこの局とは言わないけれど、実際、筆者自身も、学生時代に就活していた折、複数の元社員、また社長経験者の大物OBからコネ入社の実態を聞いて嫌な思いをしたものだ。仄聞した“コネ伝説”で一番面白かったのは90年代初頭の話。「一般枠」で入社した元ディレクターに聞いた話だが、最終面接の日にそれまで一度も顔を合わせたことが無かった学生グループが唐突に出現。その後、かなり高い確率で内定を得ていたのを見て、その方も「世の中には理不尽というものがあるものだ」とショックを受けたという。今の時代、さすがにその手の露骨で豪快な選考をやったら週刊誌に書かれちゃうだろうな。さすがバブル時代の名残を感じますね。わはは。

●コネ社員は無能なのか?
ま、仮にコネ採用が現在もあったと仮定しよう。学生時代は、選考はフェアにすべきと思ったものだが、社会人を十年以上やってみると、必ずしも「コネ入社」を否定はできないと感じる。新聞社にいた頃から、大学の後輩を中心にマスコミ志望の学生たちから就職相談はしばしば受けてきた。国際交流サークルの幹事長をやってました的な、それこそ常見のアニキが言うところの「意識高い系(笑)」ではなく、本物の「意識高い」系の優秀な学生にもお目見えすることもある。ただ総じて、二十歳そこそこの学生だから、社会経験は似たり寄ったり。インターンや留学、ボランティア、語学力でアピールしても、決定的な差別化が出来ている方は少ない。しかも“コネ学生”は無能とは限らない。それどころか一般学生より“優秀”な人も多い。グローバル企業の重役のご家庭なら帰国子女で語学は堪能だし、著名人の親の友人と子供のころから家族ぐるみで交流なんかしていると、情報もビジネスチャンスも入ってくる可能性がある。

もし、あなたが局の社長だとする。最終選考段階で、あと1人を選ぶということになり、同じ能力で似たような経歴の学生が二人いる。家庭状況を調べると、一人は地方の商店主の息子さんという早大生。英語弁論サークルで表彰歴もあるらしい。そして、もう一人は生まれも育ちも東京・港区の慶応ボーイ、お父さんは局にもCM出稿をよくしてくれる東証一部メーカーの専務という。一応、語学力はTOEICで800点はあるのだとか。さて、あなたの選択はどちらだろうか?CM収入の確保を優先したいという思惑なら後者だろう。前者が後者に勝る決定的な差別化ポイントが無ければ、経営者が無難な選択をするのを責められまい

また、そもそも論としてテレビ局は民間企業なのだから、どういう採用方針を取ろうがその会社の勝手だという意見もある。実際、知人の元在京キー局社員(今は異業種でご活躍)の方はそういう話を筆者にぶつけてきた。ただ、さすがに“コネ入社”を否定しない筆者も、これには違和感を拭えなかった。テレビ局は国の許認可事業であり、公共性が高い。“コネ入社”の人間にしか門戸を開かない「身分制社会」が横行するのは好ましくない気がする。

●是非は市場で決めればいい
結局、筆者はその方に「どういう採用をしようが最後は市場が決めるのではないですか?」と申し上げた。コネ社員が主体でも視聴率、利益もろもろ業績が上がれば官軍、コネなし社員ばかりでも業績が低迷すれば敗軍なのである。ただ、そう考えると、昔から噂されるコネ入社の実態の検証もさることながら、そもそもの人事戦略としてパフォーマンスをあげているのか気になるところだ。

誰でもキー局にそのことを説明させる良い方法がある。ただし、その権利を入手するのは少々出費がいるけどね。昨日(13年10月3日15時時点)なら、日テレ(184,800円)、TBS(127,500円)、フジ(214,600円)、テレ朝(224,000円)、テレ東(224,000円)――そうです。みな上場しているので株主になって総会で質問すればいい。勿論、1人株主では舐められて“シャンシャン”とスルーされるかもしれないから、大株主に働きかけるなり、ソーシャルメディアで同志の株主を糾合するなりして「コネ入社の実態と見解、業績との相関関係」の質問を、状況証拠とともに“徒党”を組んで提出する。文書で回答を要求するなら、総会当日より少し前に提出するのが適当かな。もしかしたら「企業秘密」として回答を拒否するかもしれないけど、特許ほどの機密性があるか疑問だし、そのあたりIRに詳しい方、どうでしょうか?

※株価的には「半沢直樹」効果が今一つだったTBS
131004TBS株

さてさて、僕はテレビが好きなので応援したい局の株を7年ぶりに買うか検討中ですが、どうしようかなと思う今日この頃です。ちゃおー(^-^ゞ

新田 哲史
Q branch
10月クールのドラマは「ドクターX」続編が楽しみなコラムニスト
個人ブログ

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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