ベイナー米下院議長、事態打開に自身の命運を賭けるか? --- 安田 佐和子

2013年10月06日 10:28

ベイナー米下院議長は、共和党議員に対し「米国をデフォルトに陥らせない」決意を示した──と、複数の共和党関係者の話を元にニューヨーク・タイムズ紙が3日に伝えました。現地時間午後1時半頃に広がった報道を受け、ダウ平均は一時15000ドル割れから大台を回復する支援材料となったんですよね(引け値では9月6日以来の大台割れです。米議事堂で発生した発砲事件で売りが再燃しました)。

予算案の通過には歳出削減と改革が必要としつつ、必要とあれば「ハスタート・ルール」の違反も厭わないとしているようです。「ハスタート・ルール」とは、共和党の大多数が支持しない限り、その法案の投票を許可しないというもの。1999~2007年まで下院議長を務めたデニス・ハスタート氏の名前に由来するんですね。この方によると、米下院の共和党議員数の435人のうち191人が鉄板の地盤をもつだけに、共和党内の恐れるべきは党内の極右勢力で民主党ではないそうな。総合的に判断すると、ベイナー米下院議長は共和党の強硬派を取り込むより、穏健派の票を取りまとめデフォルトを回避する選択肢を検討しつつあるのかも・・なんて期待したくなります。

ベイナー米下院議長の努力が結実するのか。

リベラル派の国民を中心に、非難轟々ですが……。

shutdown

ワシントン・ポスト紙は、ベイナー議長がポストを捨てれば4日にも政府閉鎖が解除されると報じていますね。

WP紙によると、共和党の米下院議員のうち医療保険改革法案(オバマケア)を含むクリーンな予算継続協議に賛成しています。この19名と民主党の200名を合わせると219票となり、435議席の過半数を超えるんですよ。民主党の予算案はすでに米上院で通過してますから、米下院で過半数を獲得できればオバマ米大統領の署名を待つのみで政府機関の閉鎖が終幕するというんです。

ただしベイナー米下院議長にとって共和党の多数派にケンカを売ることになり、妥結を通じた政府機関の再開はハッピーエンドを意味しません。2013年1月1日に可決した「財政の崖」回避案で賛成257票中、共和党はわずか85票でした。その後ハリケーン「サンディ」の復興支援法案でも、共和党の支持は48票しか集められませんでしたよね。今回でベイナー米下院議長の求心力が地に落ちること必至で、議長辞職を唱える声が党内で高まりかねないんです。

三銃士のダルタニアンによる名言「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」を思い出しますね。ベイナー下院議長、自身を犠牲にデフォルトから米国を救うのか。もっともベイナー下院議長が辞任し強硬派が着任すれば、民主党政権側との溝はさらに深まるリスクが潜みますがね……。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年10月3日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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