「侘桜」は何もしない贅沢が心ゆくまで味わえる「大人のリゾート」 --- 内藤 忍

2013年10月24日 10:36

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秋田にある「侘桜」という山荘に来ています。かけ流しの温泉と東京の分とく山の監修を受けているという高品質の食事で、高い評価を得ている宿です。

2年前に開業したにも関わらず、リピーターが多く、平日にも関わらず、10室しかないお部屋はかなりの回転率になっているようでした。


経営をされている代表取締役の高橋さんにインタビューさせていただいたのですが、この宿のキーワードは「歴史」にありました。

実は高橋さんは、大学を卒業後、地上波の放送局勤務を経て、ジャマイカでレゲエの仕事をしていたそうです。レゲエから温泉というと唐突感がありますが、ジャマイカで自国のことに誇りをもっている人たちを見て、自分の国や地域のことにもっと関わる仕事がしたいと、出身地に戻り、歴史をひも解くうちに、この地に宿を建てることになったというのです。

秋田の歴史のことはほとんど知りませんでしたが、角館にある武家屋敷を見学すると興味深い史実をたくさん知ることができます。江戸時代からの激動の中で秋田の武家の人たちがどのような運命に遭遇したのか。

歴史を語る高橋さんの目は本当に生き生きとしていました。宿の設備や食事の話より、この土地の今までの歴史について語る方が熱かったです(笑)。

しかし、ハイエンドの宿を経営する人に共通するのは、ビジネスとして宿を経営するのではなく、真にお客様に自分が提供したいものを提供するという「こだわり」です。

短期的な稼働率や利益を追い求めるのではなく、クオリティを高め、顧客満足度を高めることで、ファンを増やし、口コミで評判が広がって、お客様がリピートしてくれるようになる。

その代わり、宿も顧客を選別します。気に入らない人には来てもらわなくても良い。本当に価値のわかる人だけに来てもらい、最高の満足を味わって欲しい。間口は狭いのですが、一旦中に入ってしまえば、究極の時間の過ごし方ができる。そんな宿が多いのです。大手のチェーンホテルとは正反対の発想です。

「侘桜」のお客様は連泊が多く、しかも部屋からほとんど外出しないで滞在自体を楽しまれる方が多いそうです。大きな部屋風呂があって、窓を開ければ半露天風呂になります。かけ流しのとろっとした温泉につかっているだけで、全ての疲れが吹き飛ぶ感じです。

美味しい食事を楽しみながら、何もしない贅沢を味わい尽くす。ここは、成熟した大人のリゾートだと思いました。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年10月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


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