若い世代の暮らしぶりから次世代住宅設計を考える --- かわにし のりひろ

2013年11月03日 06:30

ある大学と共同で、次世代住宅をつくるプロジェクトの副リーダーを仰せつかっている。学生と話、色々な検討を相談していくのであるが、非常にアイディアその他が面白い。

なかでも学生はまったくといっていいほど、TV番組をTVで見ていないというのである。ほとんどがネット経由でTVを視聴していて、中にはTVという機器すらもっていないという人もいた。

しかし番組的には見ているみたいで番組の話題は良くわかっているのだが、実際見たのかと聞くと、「まとめ」「ネタバレ」などを読んだという学生までいた。


10年前の企画書を読み直すと、ネットの進化で、TVはタイムシフト、プレイスシフトが起こり、携帯を代表されるスマートデバイスでの視聴に変っていく、と書いたことを思い出した。この世代では明らかにその状態になっていて、TVという家電製品はないということが兆しからよくわかる。

意地悪な質問で、いつTVは買うの、という話を聞くと、住宅や家族をもったときとの答えがほとんどである。もうTVというのは、住宅購入とセット商品になることが薄々わかってくる。

住宅新築着工が消費税のひと段落が終わると、70万戸/年とも言われていますので、TVも70万台/年時代がやってくる兆しが見える。700万台/年を割るだけで家電会社の景気影響は非常に大きなものであったので、学生の世代が実際の消費世代になっていくとはるかに少ないTVの台数になるということがよくわかる。

その中で学生たちが絶対に欲しい機能がWi-Fi搭載である。スマートフォンは当たり前であるが、TV、冷蔵庫、掃除機、ドアホンなどなど、みんなつながるのが常識的に当たり前と考えているのであり、例えば、ドアホンなどは子機と呼ばれるものがWi-Fiでつながれば、親機と呼ばれる住宅内端末は、スマートフォンなどでいいと言っている。

これもドアホン子機のWi-Fiタイプなどは、作ろうと思えば、2万円前後で製造可能で、今でも作れる。実際にアメリカの新商品投資サイトでは、投資を募っている。

Wi-Fi搭載で意見が一致したのは、掃除機にカメラをつけてWi-Fiで掃除状況が見れて、セキュリティーロボット、家事ロボットになるとの話題であった。掃除はみんなどの世代もいやみたいで、自動にホコリ掃除をしてくれてさびしい時に相手してくれる機能はうれしいらしい。Wi-Fi機能搭載で、各商品は便利とともに負荷価値追加、値下げ競争になることがよくわかる。

キッチン、調理家電などの話題も話すと電子レンジ派が改めて多いことに驚かされる。調理の中間工程でも過熱とか色々な作業は電子レンジをうまく使う方法をよく知っている。ポットを持ってなく、必要な分だけ電子レンジというツワモノなのか、先端を言っている学生もいるほどだ。炊飯器、ポット、レンジなどを思っているのは古いのかもしれない。そのような道具を揃える人は料理が趣味の人となるのかもしれない。

考えてみれば一人用の食材は、コンビニの品揃えで非常においしいものがあるし、その前提の調理家電は、レンジである。キッチンもレンジと冷蔵庫あたりしかない時代がやってくる気がする。考えてみればレンジでご飯炊けます。

学生と話しながらこの波は、きっと2020年から2030年にはやってくると思われるので、家電メーカーは本当に大変だと感じてしまう。TVの年間台数が現在の1/10になったり、ドアホンがITサプライ的な商材になったり、炊飯器がなくなりレンジに機能が統合されていくなどなど思えば先が悲しいと思うかもしれない。

しかし、この兆しでわかるのは、掃除機・冷蔵庫・レンジ・ドアホンなどの家電商品は、Wi-Fi機能をつけて、全世界に販売できる商品になるのである。頭脳部分はネットワークで接続することで各世界バージョン製造が可能となり市場規模が爆発的に拡大する。それだけのデザイン設計が出来るのかが大きな鍵になる。製造個数も日本市場を狙っている時代よりも大きなチャンスがある。

企業では兆しを見つけて商品開発を進めているが、やはり若い学生に考えさえる工夫が必要だし、産官学連携でこのような仕組みで開発をさせていく工夫が必要だと思う。ビル・ゲイツもスティーブ・ジョブスも学生でガレージ的なイメージで起業できたのである。そんな工夫をと思いながら学生と次世代住宅の討論を続けている。

かわにし のりひろ
会社員/コラムニスト
マルハビ日記

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