ローソン「厚焼きパンケーキ」ヒットに見る、イマジネーション消費の時代

2013年11月11日 08:00

「厚焼きパンケーキ」とサーティーワンアイスクリームの関係

ローソンの「厚焼きパンケーキ」が、発売約2か月で累計6億円を突破したそうです。通常のスイーツに比べて350円(税込)と高めなのですが、異例という表現が使われるくらい売れているそう。


私も店頭で見かけて思わず買ってしまったのですが、なぜこんなに売れたのかという私なりの見解があるのです。それは、後ほど発表するとして、このニュースを見た時にサーティーワンアイスクリームのことを思い出しました。

サーティワンアイスクリームと「厚焼きパンケーキ」の間には、関連性がなさそうなのですが、大きいくくりだと仲間だと思うのです(このくくりも後程説明します)。
なんとなく4、5年前からサーティーワンの店舗が増えている気がしており、業績的にかなり好調なのではと踏んでいました。
しかし、今日(と書いてこんにち)まで調べてこなかったので、IR資料から年間の売り上げ、店舗数、来客数のグラフを作ってみました。

集計してみたところ、2007年以降店舗を続々と拡大しており、増収になっています。
店舗数は2008年/929店舗→2012年/1174店舗となっており、4年間で245店舗も拡大。売り上げも2007年/294億2千万→2012年/425億7千5百万となっており、5年間で年間130億も上乗せしているのです。
しかも同業種に比べて好調なのか調べてみようとしたら、ほとんど競合がいないんですよね。ハーゲンダッツは撤退しちゃいましたし、コールドストーンアイスクリームの店舗数を調べてみたのですが、2005年の初出店以降、8年で31店舗(サーティーワン・・・)にとどまっており、あまり順調じゃないように思えます。

この背景には、サーティーワンのマーケティング戦略が功を奏してると思うのですが、サーティーワンは毎年チャレンジ・ザ・トリプルというアイスを2個頼むと1個サービスしてくれるキャンペーンをやっています。これが非常に好調で、以前にその模様をNAVERまとめにまとめたのですが、みんな友達同志で来店し、トリプルのアイスクリームを食べることが一つのアトラクションになっているのです。

しかも、コーンに乗った3つのアイスって、「古代の肉」とか「チビ太のおでん」みたいに小さなころから憧れの食べ物でした。しかし、なかなかトリプルは頼まないわけで、そんな消費者心理に「ダブルを頼めばもう一個サービスしますよ。」と手を差し伸べてくれたわけです。
せっかくのキャンペーンだから、この際トリプルを食べてみたい。でも、一人でアイスを3個も食べるのもなんだから、、といって友達を誘うわけです。

そして、これが大事な点なのですが、この一連のシチュエーションを、消費者が想像しやすいんですよね。

・昔から憧れていたトリプルのアイス
・友だちと一緒に食べる
・学校/会社帰りに

サーティーワンの別のキャンペーンで「真夏の雪だるま大作戦」=レギュラーを頼むと、キッズサイズを1個サービスというキャンペーンがあるのですが、これも非常に想像しやすいですよね。

ということで、サーティーワンを代表するこのような消費動向を名づけて「イマジネーション消費」と呼びたいと思います。

「それ」を想像できる?イマジネーション消費とは

イマジネーション消費とは、消費者の想像が喚起されて発生する消費行動のことです。って、なんやら難しくなりましたが、図解すると以下の3つかなぁと思います。

・体験型(ワクワクが想像できる)
サーティーワンはコレに当てはまると思います。そして、今後はこのカテゴリにいかにしてハマるかがキモなんじゃないかなぁと思います。
飲食店以外のジャンルでも、いかに体験させてワクワクさせるかって重要ですよね?脱出ゲームとか。

・習慣型(それを行っている自分が想像できる)
商品・サービスを定期的に使っている様が想像できるかどうかです。例えば食品でいえば、カロリーメイトっていつ食べますか?普通は、朝食を抜かしてしまった時、仕事前に軽く食べたり、残業で遅くなりそうだけど夕飯までもたない時などですよね。逆にいうと朝食を抜かして会社に向かう途中に立ち寄ったコンビニで、カロリーメイトを買う習慣が容易に想像できるということです。
WEBサービスなんかだと「クックパッド」も夕飯前の買い物に行く際に、定期的にチェックしてみようと気になります。

・共感型(作り手の気持ちが想像できる)
これは、感性消費とか言われたりしますが、作り手バックグラウンドや商品・サービスに込めた思いを想像して、共感して消費行動するというものです。
無印良品や、ハンドメイドの雑貨、孫さんに共感してSOFTBANKでiPhoneを買うという人もいるかもしれません。

「厚焼きパンケーキ」が刺激した消費者の想像力

そして、冒頭の話題に戻るのですが、なぜローソンの「厚焼きパンケーキ」はこんなにもヒットしているのでしょうか。
それは、冒頭のキレイな宣伝写真を見ていたら分からないのです。見るべき写真は、コレです。

そして、もっと言うとココです。

そうです。厚焼きパンケーキには、生クリームの絞り袋がついているのです。なぜわざわざ絞り袋に入れて、外側に括りつけているのでしょうか。

それは、この商品がレンチンを想定したものだからです。レンジでチンしてフカフカになりますよ~といううたい文句だったので、パンケーキの上にあらかじめ生クリームを乗せて出荷したらレンチンした瞬間にドロドロに溶けてしまうためです。

ということで、この絞り袋は機能的にやむをえず添付にしたのだと思いますが、これは確実に購買の後押しになっているのはとふんでいます。

絞り袋で生クリームをケーキにしぼる。

これって、小学生以来、DNAに刻まれた「憧れの行為」だったと思うのです。(他には、巨大プリンにスプーンを突き刺す、塩抜き中のしじみが顔を出したところを指でピってやる等。。)
これをさきほどのイマジネーション消費に当てはめると、サーティーワンと同じく・体験型(ワクワクが想像できる)になります。

ということで、いかに消費してくれる方にイマジネーションしてもらうかが重要だと思うんですよね。ヒットの裏に、イマジネーションあり!

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