台風禍のフィリピン、なぜ被害が大きくなったか

アゴラ編集部

レイテ島のタクロバンという港湾都市は、フィリピン南部の政治経済の中心であり、また学園都市としても有名です。太平洋戦争では、日本軍が拠点化し、さらにダグラス・マッカーサーが「I shall return.」を実現した街でもある。しかし、古くから台風の通り道であり、その被害によって歴史的な遺跡や古文書などが遺失されてきたらしい。台風「Haiyan(ウミツバメ、台風30号)」が、11月8日、この時期としては桁外れの勢力でフィリピン南部を襲いました。


上陸時点で895ヘクトパスカル、最大瞬間風速110メートル/秒、前代未聞の気圧、竜巻並みの風速、海は猛り狂い、津波のように海岸へ押し寄せたそうです。なにしろ、日本における最大瞬間風速の記録が1966(昭和41)年に富士山頂で計測された91メートル/秒ってんだから、今回の台風のすさまじさがわかる。タクロバンを中心にしたフィリピン南部では、死者行方不明が1万人を超える、とも言われ、日本を含めた米国など各国が支援活動を始めています。

この台風については、11月8日の当コーナーでも、被害への警戒を紹介しているんだが、周辺では高い海水温が続き、勢力をさほど落とさないままシナイ半島のハノイ方面へ向かい、トンキン湾に入った11月11日には急速に勢力を衰えさせ、今では熱帯性低気圧になっています。ベトナムでは救難支援のための軍が17万人動員されたらしい。被害がこれほど大きくなった原因は高潮と言われているんだが、この「北本 朝展@国立情報学研究所(NII)デジタル台風」の解説によると、日本の伊勢湾台風と似ているそうです。

地図でみると、確かにタクロバンはレイテ湾の最深部に位置します。高速で接近した台風と高潮、吹き寄せ効果が内湾で狭まった港湾都市を襲った、ということのようです。台風に慣れているフィリピン南部の人たちも、予想外の高潮になすすべもなかった、ということなんでしょうか。これ以上、被害が拡大しないことを祈っています。

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アゴラ編集部:石田 雅彦