なぜJR北海道に不祥事が続くのか

2013年11月13日 12:58

ご承知のとおり、鉄道というのは普通、レールと呼ばれる鉄でできた二本の軌条を案内にし、軌条に車輪を乗せて走ります。その車輪には、内側にフランジと呼ばれる出っ張りをつけ、脱線しないようにしてある。二本の軌条の幅は、両輪のフランジ間の幅より少し広めに設定されるものの、逆側の車輪が軌条上から落ちない程度の余裕しかありません。軌条の幅がフランジ間より狭かったら、車輪は軌条にせりあがって脱線してしまうでしょう。また広かったら、これもまた片方の車輪が軌条から落ちて脱線してしまう。つまり、鉄道車輪の幅と車輪自体の厚みに合わせ、二本の軌条はどこまでも一定の幅で続いていなければならない、というわけです。


外部情報により、JR北海道が保線管理するデータが改竄され、軌条の幅が基準範囲内に収まるよう、実際よりも小さな数値に変えられていたことが発覚しました。軌条の幅が広ければ、脱線につながりかねません。こんなことは鉄道マンには釈迦に説法なんだが、JR北海道は11月12日にこれを認め、国土交通省が同日、同社に対して9月と10月上旬に続いて三回目の特別保安検査に入ったそうです。国交省によるこれほど短期間に立て続けの立ち入り検査はきわめて異例。数年前からトラブルや事故が続いているJR北海道に対する信頼は、まさに地に堕ちた、と言っていいでしょう。

JR北海道の保安整備体制については、以前からそのずさんさや危険性が指摘され続けてきました。今回の軌条データ改竄についても外部からの情報とのことなんだが、なかば常識的に長く行われてきた疑いがあります。JR北海道自身は、今年2013年7月、国交省に整備の欠陥を認め、再発防止と改善を報告。しかし、自浄作用は効果なく、内外から「同社はJR東日本の管理下に置くべきだ」という声まで聞かれるようになっています。実際、JR東日本から安全運航の次長課長クラスの専門家が派遣され、JR北海道の支援に入っている。鉄道マンにとって、これは恥ずべきことのはずです。

どうしてJR北海道は、これほどまで低次元の公共交通機関に成り下がってしまったんでしょう。厳しい経営環境で保線にかける予算が縮小され、合理化が進んで現場の士気が落ちていた、と言う人もいます。また、地域内に競合できる代替交通手段がないため、唯我独尊に陥ってしまった、という指摘もある。さらに、マニュアル化された結果、技術の継承がうまくいかず、効果的効率的な保線が行われなくなった、という声もあります。

国鉄の分割民営化の時点で、北海道、九州、四国、のいわゆる「JR三島(さんとう)」は、赤字必至で経営基盤が不安定でした。そのため、民営化の過程で、三島以外の本州のJR各社が損失を補填するなど、さまざまに支援する体制が組まれた。そもそもこうした「甘え」の体質が根本にあり、さらに北海道という前述したような環境から、組織がうまく機能しなくなっていったのかもしれません。事実、地域内にライバルの多いJR九州は、積極的な自助努力を発揮し、自主自立の経営へ向かっている、と言われています。

JR北海道では、2011年5月に起きたトンネル内火災事故の対応や労務対策に苦慮し、9月に当時の社長が自殺しています。さらに今の社長も体調不良から10月に入院し、問題山積の時期に二週間も現場を指揮できない、といった事態に陥っていた(現在は退院)。国交省は、同社や経営陣、社員らに対して刑事告発も検討中だとか。鉄道以外、代替の交通手段が極端に少ない北海道。道民の足としての信頼を一刻も早く取り戻して欲しいものです。

八王子市税理士.com
JR北海道を国が主導


10月の消費者態度指数は台風の直撃で大きく低下!
官庁エコノミストのブロ
2カ月ぶりに消費者の消費マインドが低下した、というブログです。なんとなく物価がジワジワ上がっているようで、来年には消費税も上がる、といった心理的な効果が背景にありそうです。いわゆる「アベノミクス」の浮ついた雰囲気も秋風とともに沈滞ムード、といった感じでしょうか。台風の影響というのが本当なら、年末年始の商戦期には回復するんでしょう。物価だけデフレ脱却し、給与がそのままだと実質的な賃下げなんですけどね。

電車の発車時刻をカウントダウンで教えてくれるiPhoneアプリ、通勤タイマー
週アスPLUS
ちょっと前の記事なんだが、けっこう便利なアプリなので紹介します。ここに書いているように、確かに路線検索アプリというのは使い勝手が人それぞれ。ギリギリに行動しがちな人にとって、電車にはなるべく待たずに乗りたい、という願望があるでしょう。このアプリで検索すると、時系列的にどんどん過去へさかのぼったり未来へ進んだりできる。自分の行動スタイルにぴったりな電車がすぐにわかります。個人的にいつもギリギリで乗ってるので重宝してるアプリです。

ノルウェーはEV王国、日産が初の販売トップに
THE NEW CLASSIC
政府行政がかなりEVに肩入れしているようです。高速道路などの通行料金や公共駐車場、充電が無料、とのこと。優遇ぶりが半端ない。北欧各国は、福祉などでも世界に先んじて実験的なことをやります。EVも同じでしょう。行政の縛りや役人の利権、官製管理が少ない。うらやましい限りです。

The Ziesel works kind of like an off-road armchair
gizmag
ディーゼルカーならぬ「ジーゼル」という雪上車について紹介している記事です。これはなかなかかっこいい。楽しそうだ。ドイツの企業らしい。吹きさらしなのがちょっと大変そうなんだが、ゴーグルつけて乗ってます。これ使ってレースとかできそう。農耕具のようにも使用可能。救難にも使えるかもしれません。やはり無限軌道は最強ですな。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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