カジノ法案とお台場と風俗と港区と浅草 --- うさみ のりや

アゴラ

本日から都内のとあるシェアハウスに試験的に数週間居座らせてたいただいております。ということで本日は歓迎式で泥酔一歩手前の更新です。

さて今日はカジノの話をしたいのですが、私が育てられた愛すべき港区はカジノに関して結構密接な関わりがあります。というのも東京にカジノが立つとしたらお台場なわけで、お台場は港区、江東区、品川区の三つの区がまたいで管轄しています。聞くところによるとカジノが立つとしたら東京テレポートからお台場海浜公園駅の間の駐車場ゾーン(江東区管轄)なわけで、他方で住居ゾーンは港区で問題は両区にまたいだ話になりそうです。

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何が問題かというと端的には「風俗」でして、実際に事前に行われた調査ではお台場地区の住人の半数近くがカジノが出来る事で風俗が進出することによる治安の悪化を懸念しているわけです。他方で風俗産業とカジノは切っても切り話せない関係で、シンガポールやマカオは売春が特定地域では合法の国で、マカオに至ってはホテルと売春業者が密接に連携してサービスを提供している状態です。

もちろん今更日本がマカオに対抗できるはずも無く、日本のライバルは韓国(仁川)とロシア(ウラジオストク)という極東地域での争いで、お台場が目指すのはプチマカオ・シンガポールというところになるのでしょうが、それにしても何か日本に来てもらうための+αの売り(≒風俗)が必要なわけでカジノだけで日本に来てもらおうなどという甘い考えでは国際競争力は持ち得ないわけです。ましてや日本のAV産業は幸か不幸か世界レベルの国際競争力を持っているわけですからね。これも良くも悪くも現実だから仕方ありません。

お台場ー浅草.001

かといって地元住民の治安への懸念ももっともなわけで、今更お台場地区に風俗街なぞ新たに建設しようも無いわけで、日本の非常に特殊な風営法制と「売春合法」というカジノ業界のグローバルスタンダードを摺り合わせると、浅草のソープランドーお台場の導線をどう繋ぐか、ということが論点になると予測されるわけです。幸いにして浅草からお台場は海上交通で隅田川でほぼ直線的につながるわけで、2020年にカジノをオープンするならばその導線を本格的に考えねばならないことになるでしょう。

このような論点から入ると嫌悪感を示す人も多いと思いますが、仮に海上交通が発展すれば両国や東京スカイツリー周辺の観光の活性化も期待できるわけで、決して都全域に対しても悪い話では無い思います。色々と配慮は必要でしょうが。

ということでカジノを本格的に考えるならば、海上交通と風俗との関係を本格的に考えなければなりませんよという話でした。色々と物議をかもすような話題ではあると思うのですが、最早我が国としてカジノを作るとほぼ決めた以上今まで風営法というパンドラの箱に押し込めていたギャンブルや売春に関する規制とグローバルスタンダードとの調和を再考しなければいけないわけで、そこは泥を被る覚悟で港区長・江東区長あたりには取り組んでほしいと思っています。カジノの税収だけいただいて、風営法関連は見ないふりなんて都合の良い話は許されないですよ♡

ということで今後ともこの議論は追っていきたいと思います。

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年11月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。