マイナス思考とのつきあいかた --- 河原 心平

アゴラ

前回は辻元氏の問題記事について生物学的見地から反駁し、人類の抱える問題は量的なものであり、質的には全く心配のないことを明らかにしました。人類にとっての本当の脅威は遺伝的劣化などではなく、そんな見えない敵をどうにかしなければという強迫観念しいてはそれに伴うマイナス思考です。今回は成長の限界を平穏に迎えるにあたって、最大の二次災害発生源となるであろうマイナス思考との上手な付き合い方を考えてみます。


マイナス思考に対する嫌悪感

あなたはマイナス思考の人と友達になりたいと思うでしょうか。おそらくマイナス傾向の強い人と仲良くなりたいという人は少ないのではないかと思います。マイナス思考同士なら類は友を呼ぶこともありますが、マイナスな人が集まるとマイナスを強め合って大抵決裂するでしょう。このように人が生理的にマイナス思考を嫌う傾向は生まれながらの特性として遺伝子に組み込まれていると考えられます。

私の経験に照らしあわせてみると、大学生の頃は辻氏ばりの終末論を嬉々としてほざいてましたが、それで喜ぶのは年配の教授ぐらいで若く希望に満ち溢れた他の学生には到底馴染めないものです。そのためか大学生の頃は所謂ぼっち(友達が少ない)でした。

マイナス思考の有害性

人がこれほどまでにマイナス思考を嫌うという事実はマイナス思考が有害であることを意味します。そもそも友達ができない時点で既に害をなしていると言えますが、それをもう少し突き詰めてみると次のような有害性が見えてきます。

(1) モチベーションが下がる

例えばあなたがオーディションに向けてギターの練習をしていたとします。そこで誰かがこれじゃ無理だなと水を差してきたらどう思うでしょうか。言うまでもなく怒るかやる気がなくなるかどちらかで、決していい気分にはなりません。これはマイナス思考による嫌がらせの代表例です。

(2) 健康を損ねる

マイナス思考の人は何らかの健康上の問題を抱えている場合が多く、すぐに風邪を引きます。ホルモンバランスを崩し、暴飲暴食を誘発しますので直接的にも間接的に健康に悪影響を及ぼします。

(3) 伝染する

マイナス思考はまた感染症のように人から人へと伝染します。マイナス思考の人の近くにいるといつの間にか伝染し、気づいた時には自分までマイナス思考になってしまうことがあります。

(4) 実際の結果に影響を与える

これが一番謎で厄介な弊害です。なぜか悪いことを考えると悪いことが起こり、楽しいことを考えると楽しいことが起こるものです。自分が余計な気を巡らせるだけでなく他の人が余計なことを言うとそれが的中することもしばしばあります。これが偶然か、単に悪い予感の的中率が高いのか、はたまた量子力学的効果によって結果が誘導されているのかわかりません。ただ不吉なことを考えるべきでないことだけは確かです。

以上、マイナス思考による多くの弊害のうち代表的なものを挙げてみました。いかにマイナス思考が傍迷惑で有害なものであるかがわかります。困ったことに本人には傍迷惑の自覚がなく、場合によっては良かれとさえ思って他人に水を指すような嫌がらせをしているところが厄介です。

マイナス思考への対処法

身近にマイナス思考の人がいてマイナスのエネルギーを振りまいているような場合は情報を遮断するのが一番です。原始的ですがイヤホンで耳を塞いで好きな音楽を聴くのもいいですし、それができないなら軽くあしらいましょう。もし相手が聞く耳を持つ人物ならマイナス思考な言動が傍迷惑であることを伝えると止むかもしれません。

問題は自分の中にマイナス思考がある場合です。軽度であればストレス等の原因を取り除くことで復帰しますが、うつ病やPTSD等の病気に起因する場合は医者でなければ治せません。

常に不吉なことを考えてはそれが的中して悩んでいる場合であれば良い解決策があります。それはおよそ的中しない不吉なことを考えては外すことです。明日隕石が落ちてくるというのでもいいですし、ゴジラに踏み潰されるというのでもいいでしょう。それを繰り返すことで、不吉な予想は全部外れるというパターンを脳に覚えさせてしまえばいいのです。

マイナス思考の伝染を受けないために

気分がポジティブなうちはマイナス思考の伝染を受けません。これは健康状態が良ければウイルスに感染しにくいこととよく似ています。マイナス思考を人からうつされる時というのは大抵くだらない屁理屈がセットになっており、この屁理屈こそがウイルスが持つ侵入具の役目をしています。このことから、マイナス思考の侵入を防ぐには屁理屈を跳ね除けるだけの確固たる人生哲学を持っておくことが一番で、私はそのようにしてマイナス思考から身を守るようにしています。

河原 心平

豊充風船商店 代表