産業競争力強化法に対する評価について --- 石川 和男

2013年12月06日 08:30

今夜、産業競争力強化法が成立した。詳細は経済産業省資料を参照されたい。

この法律の政策目的や政策手法に係る賛否はさておき、先ず、規制改革を強力に推進するための制度として、(1)企業実証特例制度(=企業自らが安全性等を確保する措置を講ずることを前提に、企業単位で規制の特例措置を適用する制度) と(2)グレーゾーン解消制度(=企業が、現行の規制の適用範囲が不明確な分野においても、安心して新分野進出等の取組を行えるよう、具体的な事業計画に即して、あらかじめ、規制の適用の有無を確認できる制度)を新設することは、前向きに評価すべきだ。


こうした措置を新設しないと企業ニーズに応じた規制改革ができないことの方がおかしいという声もあるが、現実を直視すれば、全体の規制改革に挑戦するよりも、部分的な特例措置の方が効率的であるならば、その手法を使うのは当然のことだ。

次に、産業の新陳代謝の促進を図るための措置として、(1)ベンチャー企業の成長支援(=ベンチャーファンドに出資する企業への支援措置)、(2)思い切った事業再編等を通じ世界を目指す事業革新を促す措置(=企業に眠る優れた事業・技術・人材等の経営資源を切り出し、又は統合してシナジーを実現するなど、企業組織再編を支援する措置)、(3)リスクの高い先端設備投資を促進するための措置(=高額な初期費用を要し、当初の稼働が見込みにくい先端医療機器や高精度 3D プリンタなどの最先端設備について、リース手法を用いた投資促進措置)を行うことについては、大きな効果は期待できない。広く一般産業を対象とするのではなく、特定の産業に集中的に資源投下する方が政策効果は遥かに大きい。

特定産業を振興することに関しては、産業政策史における大昔の失敗作もあるわけだが、それを教訓として、真に特定の産業体を景気回復の起爆役を造る必要はあるだろう。

その他の措置にも通じることだが、“広く浅く”ではなく『狭く深く』でないと政策効果は期待できない。次回、もしこうした支援策を行う機会が訪れるとしたら、一般産業振興施策ではなく、特定産業振興施策を行うべきだ。

以上の点も含めて、去る11月20日のBSフジ・プライムニュースで、産業競争力強化法について西村副大臣と議論したので、以下のURLを御参照。

http://www.youtube.com/watch?v=sfJBCMkKd0c
http://www.youtube.com/watch?v=OiFulIFytNU


編集部より:この記事は石川和男氏のブログ「霞が関政策総研ブログ by 石川和男」2013年12月4日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった石川氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は霞が関政策総研ブログ by 石川和男をご覧ください。

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