日本が対米関係を見直さざるを得ない日は来るか --- 岡本 裕明

2013年12月10日 11:42

アメリカを含む6か国がイランと核開発停止に伴う経済制裁の一部解除の合意を行ったことに対してイスラエルが噛みつきました。「冗談じゃない」というネタニヤフ、イスラエル首相の怒鳴り声が聞こえてきそうです。イスラエルがオバマ政権に対するイライラを募らせるのはなぜでしょう。

アメリカとイスラエルは一心同体で圧倒的な信頼関係のもと、今日までウィンウィンの状況を作り出してきました。事実、アメリカにいるユダヤ人は本国のその数とほぼ同じぐらいであり、イスラエルを守るためにアメリカの政治、経済を牛耳っているともいえるのです。ところが、オバマ大統領の外交姿勢はブッシュ(子)のやり方をそっくりひっくり返したような姿勢で世界に平和を、というスタンスでした。が、この平和政策も一歩間違えば相手方に隙を作ることにつながり、国際関係の微妙な緊張関係とそのバランスが崩れることがあります。


イランとの一部「和解」はそのリスクをはらむものと捉えられ、イスラエルからすれば今までのアメリカとの関係を反故にするのか、と責めているわけです。

では、日本。終戦以降、日米安全保障条約を盾に、あるいは貿易パートナーとして喧嘩こそすれど、基本的には良い関係を続けてきました。が、アメリカの相対的国力の低下、威信の低下、あるいは国家の「老化」が見せるその外交姿勢は世界の憲兵から退役兵のようにも見えるのでしょうか? 理由は軍事支出の抑制を理由とする強力なる外交路線からの後退であることは見て取れます。

とすれば防衛識別圏について日本がアメリカに頼るばかりでは厳しくなってきたのかもしれません。航空会社への対応はアメリカが識別圏を通過する航空機の中国への申請を容認したのに対し、日本は航空会社に提出させるのを止めさせています。この相違について安倍首相の見解は説明になっていませんでした。つまり、日本もアメリカの姿勢に一部振り回されているところがあるのかもしれません。

日本がイスラエルのように「そんなはずじゃないだろう」という日が来るとしたら日本の外交スタンスは大きく変わることになります。日本が自分で身を守る準備をするきっかけにもなり得るのです。日本はアメリカがバックについていたからこそ今日の立場があることをその時、ようやく理解することになるでしょう。アメリカが守ってくれなければ日本はどうするのかという命題にもう一度真剣に取り組まねばならない時が近いうちにやってくるような気がします。

その時、「隣の虎と分かち合う話」ができるかどうかといえば少なくとも今日時点では難しそうな気がします。

勿論、今のアメリカ外交姿勢がオバマ政権下でのことであって、3年後に大統領が変わるとき、その方向は再び、大きく舵を切る公算もあります。また、アメリカの経済力、世界とのリンクや影響力、政治力はそんな柔なものではないことも事実です。ただ問題はアメリカが今後、どこに向かうのかという点については誰もわからないということであります。

戦後、アメリカは共産との戦いとしてソ連との緊張感が長く続き、その方向性はぶれることはありませんでした。しかし、このストーリーはもはや消え去り、中東からは腰が引け気味、アジアとも八方美人的なアメリカ外交を受け、日本が独立国家としてどうしたいのか、もう一度、じっくり考えなくてはいけないのかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年12月10日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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