デジタル・メディアにまだ「コロンブスの卵」が通用するか

2014年01月18日 13:35

デジタル・メディアは、玉石混交で多種多様、大小長短いろいろあります。単に掲示板のスレッドをまとめたものから、紙媒体から派生して人的金銭的に多大な資本を投下したものまであり、取り上げられる内容もウワサ話に毛の生えたようなものから、専門的な高度なものまで幅広い。新聞やテレビといった既存の「メディア」の概念が通用しなくなっている。さらに、内容を吟味できるリテラシーがより必要な時代になってきています。


これほどいろんなメディアが出てきているんだが、サイトの構成や制作手法はそれほど多様ではありません。取材や調査して記事を書いたり、専門家や一般からの記事をまとめて掲載する。幅広くバリエーションに富ませるか狭い範囲を深掘りするか、違いはあれど、基本的にメディアを作る方法はごく古典的なものになります。

しかし、表題のブログによれば、海外のウェブメディアでは、バイラル(口コミ)系のものが増えているようです。グルメ評価サイトや掲示板サイトなどのようなユーザーの寸評を掲載しつつ、口コミやランキングに利用したりサイトを構成する、というわけで、ここにもネットで集客するための基本がある。ようするに、サイトは「場」を提供し、不特定多数のユーザーが書き込んだり写真や動画を投稿したりして中身を形作っていく、というわけで、この点でもデジタル・メディアは特定のスタイルに「収斂」しています。

アゴラもこうしたデジタル・メディアの一つです。この「UPWORTHY」というメディアは、アゴラによく似ている。ただ、生活や文化論みたいなものが中心のようです。ゲイツ財団が関係しているらしい。

ただ、多くのデジタル・メディアが特定の形式や内容に「収斂」していくとすれば、マネタイズの方法を含め、そうではない斬新でもっと受け入れやすいものが出現する余地がありそうです。まだコロンブスの卵が可能か、それともあらかた試行錯誤はもう終わってしまったのか。予断を許さない状況は続いているじゃないでしょうか。

さて、アゴラもみなさまから投稿された記事によって成立しています。一種の「バイラル系」メディアと言っていい。何か書いてみた、うったえたいことがある、と思ったらコチラへどうぞ。よろしくお願いします。

メディアの輪郭
海外における新興ウェブメディアの隆盛 ~12のメディアから見えてくるもの~


Ford Exec: ‘We Know Everyone Who Breaks The Law’ Thanks To Our GPS In Your Car
Business Insider
米国自動車メーカーのフォードの幹部が、カーナビのGPSによってユーザーの行動を把握している、と失言して話題になっているようです。いつどこで交通違反したという事実までも知られているんだとか。その幹部はこれらの情報を他者へ提供することはないし、プライバシーには注意している、と言ってるんだが、この記事ではフォードに確認したところ、そんな事実はない、と否定し、幹部もその後に取り消したそうです。妙に説得力があり、やろうと思えばやれるんじゃないか、という点で疑念が深まります。カーナビのGPSに限らず、街頭カメラなんかの情報も使おうとすればいつでも、という感じで知らないうちに『1984』的な不気味な社会が近づいているのかもしれません。

クローン豚を大量生産する世界最大の「クローン工場」で作られる生命と将来の科学について
Gigazine
豚、という家畜の歴史は、生体改良の歴史です。より多くの肉をとるために、豚は何百年もの間ずっと掛け合わせたりして人為的に遺伝子を操作され、多産化や胴長化、肉質の改良などをほどこされてきた。何しろ生物種によって決まっている背骨の数を、増やして胴長にし、まるで巨大なダックスフントのようにされた豚もいます。この記事では、もっと高度な遺伝子操作、究極には最上級の遺伝子を持つ豚のそのまんまコピーを大量生産しよう、という試みが始められる、と書いています。最上級の遺伝子、というのは、肉質が良質でたくさん肉がとれるというものじゃない。人体実験ができない新薬の開発などでは、人間とサイズも似ていて内臓の位置や数、機能なども似通った豚が利用されているんだが、個体によって体質がまちまちだと検証性や再現性が低い。クローン技術で人為的に遺伝子が同じの双子豚を作ってしまおう、というわけです。こういうのって中国以外の先進国では、倫理面などや周辺環境への影響などが問題視され、なかなか実現できない。中国ならではの技術です。

Titanic replica to be built in Chinese theme park
Guardian.com
で、次は中国でタイタニック号の原寸大レプリカが建造された、という記事です。こんなものを作ったのは「Seven-Star Energy Investment Group(SSEG)」という中国企業で社長はSu Shaojun氏。完成したら四川省の奥地まで運び込み、博物館にする予定らしい。氷山に衝突して沈没するシーンのシミュレーションも体験できるようにするそうです。うーん、微妙。しかし、舳先に立って女性を羽交い締めするとか、各国から来た観光客と一緒に例の逃げ出す際のエスニック・ジョークを再現したりできますな。米国人に「ヒーローになれる」と言い、ドイツ人に「それがルールだから」と言い、日本人に「みんなもう飛び込んでるから」と言ってみる。韓国人がいたら「日本人より先に飛び込みなさい」と言ってみたりしたい。

Fighting flies: Biologists identify sex-specific brain cells in male flies that promote aggression
PHYS.ORG
オスのショウジョウバエの脳にメスにはない戦うための細胞がある、というカリフォルニア工科大の研究を紹介した記事です。ある神経細胞には、攻撃性を高める特異的な働きがあるらしい。生物の「攻撃性」はいったいどこからくるのか、ほ乳類では神経ペプチドやホルモンなどの関与がわかってるんだが、これら神経伝達物質がどの遺伝子で作られるかわかりませんでした。今回のハエのけんきゅうでは、攻撃性に関わる脳細胞を作り出す遺伝子が特定されるかもしれない。ヒトにも乱暴で暴力的な性格があり、ときに犯罪的な言動につながったりします。そうした「治療」にも役立てられるかもしれません。


アゴラ編集部:石田 雅彦


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