刺さるマーケティング文句 --- 岩瀬 大輔

2014年01月19日 18:00

昨年秋、BOSE社の3万円もするヘッドホン、”QuietComfort 15“を買った。いわゆるノイズリダクションといって、騒音を打ち消すのが売りだ。

音楽好きな私だが、いい音をヘッドホンで聴くためだけに3万円も出そうとは思わない。決め手になったのは、友人の次のような言葉だった。

「このヘッドホンをつけていると、飛行機の旅がすごく楽。いつもヨーロッパ、アメリカ、日本を行ききしているビジネスマンの友人も、『音を完全にシャットアウトしてくれるので、移動時の体への負担がぜんぜん違う。長期フライトの後も、あまり疲れなくなった』と言っている」


この一言で、購入を決めた。直後の出張、成田空港で購入した。

実際、機内でヘッドホンの電源をオン/オフにしてみると、違いが分かる。これまで気がつかなかったが、飛行機が空を飛んでいるときの騒音はもの凄い。脳を通じて、体に大きく負担がかかっていることが分かる。

また、これをつけて音楽を聴きながら家やカフェなどで仕事をするとき、集中力がまるっきり異なる。いまや、このヘッドホン無しでは飛行機も新幹線も乗りたくないし、長い文章を書くことも難しくなっている。

つまり、このヘッドホンのセールスポイントは、「ノイズを消して、静かです! いい音です!」ではないのだ。

① ビジネスパーソンの皆さん、出張時の体の疲れがぐっと楽になります!

② 仕事への集中度が高まり、生産性が高まります!

といった内容を(コンプライアンス上OKな範囲で)訴えるのだろう。実際、私は勝手にこの商品を友人に勧めています。僕と一緒に飛行機に乗ったり、電車に乗ったりすると、必ず視聴させられます。

ユーザーの実体験、感動体験を上手に拾ってくることで、「刺さる」マーケティングメッセージが生み出されることを、他社様の製品で痛感したわけだ。ライフネット生命の場合、これが何に当たるのか。お客様の声に耳に傾けることで、考えていきたい。

それでこのお気に入りのヘッドセット。壊れてしまって、片方の音が出ない……困るので、早く修理してください、BOSEさん! 楽しみに待っています!


編集部より:このブログは岩瀬大輔氏の「生命保険 立ち上げ日誌」2014年1月18日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は岩瀬氏の公式ブログをご覧ください。

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