安全審査って何?

2014年01月27日 00:00

原発の安全審査が終盤にさしかかり、今年の夏までには一部で終わるようです。マスコミでは「この審査が終わったら再稼動できる」といっていますが、細川さんや小泉さんは「審査が終わっても再稼動は許さない」といっています。原子力規制委員会は、いったい何を審査してるんでしょうか?

それは規制委員会のホームページにも書いてあるように、発電用原子炉に係る設置許可のための審査です。つまり原発を安全にするために設置された新しい設備を審査するので、運転するかどうかとは関係ありません。安全審査が終わっても、規制委員会は運転の許可は出しません。逆にいうと定期検査が終わったらいつでも運転できるので、今でも再稼動できます。

キャプチャ

では安全審査というのは、何をするのでしょうか。たとえば上の図のように、テロリストが原発に自爆テロを仕掛けたとき、原子炉が壊れても大丈夫なように「フィルタ・ベント」という設備を設置しています。でもこんな原発事故は歴史上、一度も起こったことがないので、これがなくても原発が危険なわけではありません。これを建てるために原発を止める必要もありません。安全審査は運転しながらできるのです

福島で起こった津波の対策は、もう終わっています。地震のテストもしていますが、危険だという原発はありません。当たり前ですね。原発を建てる前に、地震の検査はしたんですから。他には避難所もつくっていますが、避難所ができるまで原発を止めておく必要もありません。ではなぜ全国の原発は止まってるんでしょうか?

それはよい子にはわからない大人の理屈です。法律の上では、いま動かしてもいいのですが、そうすると細川さんとか小泉さんのように理屈のわからない人たちが「危ない原発を動かすのはけしからん!」とか騒ぐので、安全審査というみそぎをしているのです。みそぎというのは、神社でおはらいしてもらって清めることです。

たとえば、みなさんの使うお茶碗に犬がウンコをしたとしましょう。ウンコを洗えばきれいになりますが、それでご飯を食べる気にはならないでしょう。放射能は、このウンコみたいなものです。事故を起こしたのは福島第一だけで、放射能で1人も死んでいないのですが、細川さんは「福島の茶碗にウンコがついて気持ち悪いから、全国の茶碗を捨てろ」といっているのです。

それがお茶碗なら捨ててもいいのですが、原発はそうは行きません。ひとつ何千億円もかかっているので、捨てると大きな損が出て、電力会社がつぶれます。そういう場合はみそぎをして、ケガレが取れたことにして運転を始めるわけです。それが安全審査です。

でもみそぎが終わっても、細川さんや小泉さんは納得しないでしょう。彼らは放射能がきらいなのだから、みそぎをしてもしなくても、原発は捨てろというでしょう。これは理屈ではないので、理屈で説得できません。もちろん法律でも説得できません。相手にしないことです。

もし細川さんが東京都知事になったとしても、彼が原発を止めることはできません。エネルギー政策は国の仕事だからです。こんなことは、小学生でもわかりますよね。それもわからない人が2人とも元首相だというのだから、日本は大丈夫なんでしょうか。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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