出版はやはりデジタルと紙の二頭立てがいい

アゴラ編集部

ローソンが「エルパカBOOKS」という電子書籍事業から撤退するそうです。このニュースは、出版業界へちょっとした波紋を投げかけています。電子書籍サービスは、ここ数年、雨後の筍のごとくあちこちに現れました。一方、楽天の電子書籍販売サービス「Raboo」が一年前に終了し、2013年3月に集英社や小学館、講談社などの国内出版社39社が協賛し、凸版印刷の関連会社ビットウェイが2011年8月に設立した「JManga」がサービス停止。そして今回、ローソンが姿を消す、というわけです。


ある調査によれば、電子書籍市場は、2012年に約730億円だったのが2017年に2400億円規模になるらしい。紙の出版の市場規模は約1兆5000億円程度なので、徐々に紙を蚕食していく、ということになるんでしょう。ただ、ローソンがサービス終了するにあたり、これまで買った電子書籍が読めなくなる、といった不安はユーザーに根強く、デジタルと同時にアナログの紙の本も平行して買っておく人もけっこういます。こうした事業は今後、合従連衡が進み、結果、Amazonなどのガリバーだけが残ることになりかねません。

表題ブログでは、電子書籍を出す出版社と著者の契約について書いているんだが、まだ出版社側は紙のほうが儲かる、と思っているようです。確かに電子書籍より単価も高く、売れさえすれば儲かるでしょう。しかし、そう簡単に売れるはずもない。このブログによれば、デジタルと紙の両方で出したほうが相乗効果もあり、結果として売上げは伸びるそうです。電子書籍サービスをしている出版社には、こうした試行錯誤も含めて頑張ってほしいと思います。

見て歩く者 by 鷹野凌
電子出版権創設前後に出版社が著者と結ぶ契約に盛り込もうとする「逆オプション契約」とは?──JEPAセミナーレポート


The urge to dehumanise others is itself all too human
NewScientist
「dehumanise」というのは「人間性の否定」という意味だそうなんだが、人間は本能的に他人に人間性を否定する、という研究を紹介している記事です。「人間性を否定する」つまり「人間と思わなくなる」ということ。戦争などで国民に敵愾心を抱かせるとき「鬼畜米英」といったように交戦国に対して「鬼畜」つまり「人間ではない」というレッテルを貼り付け、戦意を煽り後ろめたさなどを感じさせなくさせます。それが「人間の本能」なのかどうかは定かではないんだが、この研究では我々ヒトだけに特有の性質らしい。アプリオリにあるものではなく、外的な圧力により自分を偽り無理やり否定する、と思いたいですね。

東電再建のカギ? なぜ柏崎刈羽原発が注目されるのか
THE PAGE
7基の原子炉を持つ東電の柏崎刈羽原子力発電所について書いている記事なんだが、821万キロワットは世界最大ということです。これが止まったままなので、維持経費だけでも大変な費用がかかる。再稼働はいったいいつになるのか。東電は7月を目指しているんだが、原子力規制委員会が原発敷地下の活断層について再調査をするよう勧告し、それに応じた東電は活断層調査を2月上旬から始めるらしい。これはなんとも不透明極まりない話で、活断層か活断層でないか、というのは重要な論点でもありません。そもそも「活断層の定義」自体があやふや。そんなことを根拠に、世界最大の発電施設がムダにエネルギーを消費し続けている、というわけです。

パソコン初心者必見! 「ダブルクリック」の図解が丁寧で分かりやすい
トゥキャッチ
高齢者が理解しやすいように、パソコンを箪笥にたとえているTwitter投稿画像を紹介している記事です。うーん、箪笥にはデスクトップがありませんな。しかし、普通の勉強机にたとえてもわかりにくいかもしれない。収納引き出しがたくさんある、という意味では秀逸なんだろうが、どこか悩ましい。「ダブルクリック」も「素早く二度押す」じゃダメなんだろうか。「わからない」というのは奥が深いです。

China celebrates the Year of the Horse
The Telegraph
中華圏は旧正月が始まって各地で新年の中華風初詣が行われているようです。この記事では、香港特別行政区黄大仙区にある黄大仙祠(こうだいせんし)の様子を紹介。当方、新年には地元にある中華街の関帝廟へ参ったりするんだが、この記事の動画と同じような光景が見られます。香港の街自体、九龍半島の「気」が海峡へ下りてくる、といったように風水で作られている。クルマのナンバーを縁起のイイモノにしたがるように、中国人はけっこう迷信深いですな。


アゴラ編集部:石田 雅彦