バロンズ誌もささやく、イエレン・プット --- 安田 佐和子

2014年02月10日 12:51

バロンズ誌、今週の特集は投資信託ランキングでしたが……2月1日に就任したばかりのイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が11日に議会証言を控えますので、米雇用統計の解釈に焦点を充てた記事を中心にお届けします。

マーケット動向を伝える「ザ・トレーダー」覧では、強弱ミックスな米1月雇用統計でもマーケットが上昇して引けた点を評価していました。米雇用統計後、ダウ平均は週足で0.6%高、S&P500は0.8%高、ナスダックは0.5%高でクローズ。ダウ平均は年初来で一時8%も下落してから、下げ幅を6%へせばめました。

LPLフィナンシャルのジェフリー・クライントップ主席マーケット・ストラテジストは、米1月雇用統計につき「まるでロールシャッハ・テストのようだ」と振り返ります。なぜなら、「見る者次第でどのようにも受け取れる」ため。確かに強気派は①過去2ヵ月間の上方修正、②失業率の低下と労働参加率の上昇、弱気派は①悪天候の影響が予想外に小さかった一方で非農業部門就労者数(NFP)は低水準を維持、②NFPのサービス部門が前月から伸び減少——に注目して好きなように解釈できますから。ただLPLフィナンシャルのクライントップ氏は、「今年4回経験するであろう5%下落のひとつ」と予想しています。

一方でウェルズ・ファーゴ・マネジメントのジョン・マンリー主席米株ストラテジストは、あくまで調整であって弱気マーケットの始まりではないと分析しています。米国個人投資家協会のセンチメント指数をみると、向こう6ヵ月先に株価が上昇するとの回答はは前週比4.3%下回り27.9%。6週間で5回目の低下を示し、2013年4月以来で最低となりました。長期トレンドの39%も下回っています。逆に言えば、これまで6%下落したスピードが急激だったからこそ「強気派が掃けた」と説明できるんだとか。

ダウ平均が前週、見事に切り返した理由は?

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(出所 : バロンズ誌)

バロンズ誌の解釈は、シンプルです。マーケットは、株価が下落すれば金融緩和を行う「バーナンキ・プット」ならぬ「イエレン・プット」を期待し始めた——こちらでも指摘しましたように、米12月雇用統計後から台頭してきた資産買い入れの縮小を予想する声は、着実に広がってきております。

バロンズ誌の別の特集コラム「Rest, Reflect, Repent」でも、「歴史は繰り返す」としてFedがテーパリングを小休止させる可能性を指摘していました。少なくともウォールストリートの愛読者をもつバロンズ誌はマーケットを代弁し、イエレン新・FRB議長に行動するよう求めているかのようです。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙もコラム欄で「イエレン・プット」の可能性を論じており、期待値は確実に高まっています。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年2月9日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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