自分だけの「方法」を持つ重要性を教えてくれた銀メダル --- 岡本 裕明

2014年02月17日 12:00

「レジェンド」葛西が41歳で銀メダルを獲得しました。こちらのテレビでは解説者が「最年長者、だけど侮れない」という表現で解説していたのが印象的でした。ご本人にしてみれば長いオリンピック経験の中でようやく花が咲いたということでしょうか? 解説によると彼の独特のフォームができたのは2~3年前とのこと。しかし、それが今や世界で空中を進むのが一番速い男という異名すらとるようになったというのです。何度も挑戦しながら実らない実績に対して自分に挑戦し、自分でその記録を破っていったというのがまさに葛西紀明選手のレジェンドだと言えそうです。そして、彼の目標は「金」であり、まだまだやる気を持っているようです。それ以上に仲間が「ノリさんが頑張るから」というコメントはまさに人を引っ張る力があることを裏付けています。


一方、自分との戦いという点でフィギュアの羽生選手も私の目からすれば自己の演技に磨きをかけるということだった気がします。彼にとってパトリック・チャンは確かに目標とする大選手でした。ですが、年齢は羽生選手よりちょうど4年違います。選手生命という点で考えれば羽生選手はいずれチャン選手を追い越せた可能性はあったわけでそれならば前人未到の世界に行く、というのが目標設定としては正しかったかもしれません。それがSPの100点越えであったと思っています。

これは野球の世界を見てもそうでした。王貞治選手が持つホームランのシーズン記録は1964年に達成したものでした。それが長い年月が経ってようやくバレンタイン選手が破りました。ただ、王選手の記録が長年不滅だった理由は王選手の前の記録を見た方がよくわかります。それまでは藤村、小鶴選手を除き本塁打王は30本前後でした。それが王選手は「一本足打法」という常識を打ち破ったスタイルで50本台へと5割近い「水準訂正」をしたのです。この水準に打者のレベルが追い付くのに時間がかかったともいえるのです。

今日の趣旨は「人の真似をしていては勝てない」ということです。私の周りに努力しているんだけど伸びない人はずいぶん見受けられます。一生懸命やっているのに成果が出ないのはなぜでしょう? もしかしたら同じことを繰り返して「できるように練習することに時間を割く」ことを努力のすべてだと考えていないでしょうか?

いつまでたっても習得できないならそれはどこかに間違いがあるかもしれません。そこに気がつくこと、そしてそれを修正することに意味があるかもしれません。修正することは「今までのやり方を捨てること」になります。しかし、葛西選手も王貞治選手も伸びない結果を改善するための「気づき」が努力の結果見つかったのではないでしょうか? ならば、我々も努力をして結果が出ないなら「才能がない」とあきらめるのではなく、アプローチを変えてみることが必要です。

そして、記録は破られるためにある、とすれば数字という目標はその才能がどれだけ発揮できたかのバロメーターであるともいえるのでしょう。

オリンピック絡みの話題が二回続いてしまいましたが、単にスポーツ観戦という視点だけではなく、その人の努力や結果をどうみてどう自分に刺激させるか、これが私にはもっとも魅力を感じるところであります。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年2月17日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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