バロンズ誌、強気派の台頭を示唆 --- 安田 佐和子

2014年02月17日 13:14

バロンズ誌、今週のカバーページはこちら。

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はい、4%成長もかくやという観測気球を打ち上げたのです。提唱者は、アプライド・グローバル・マクロ・リサーチ(AGMR)。経済分析に基づき投資を行う同社が描く逆張りのごとき明るい未来に、楽観派は頬が緩んで仕方がないかも?

AGMRが2014—15年にかけ予想する4%成長は、金融政策当局者および市場のコンセンサスからみると群を抜いて強気です。ブルーチップ・エコノミック・インディケーターズによると、50人のエコノミストによる2014年成長率予想は2.7%、2015年は3.0%。2013年12月時点における米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの経済予想は2014年の成長率が中央値で3.2%、2015年も同3.4%でした。

AMGRが描くバラ色の未来のカギこそ、住宅市場。

1)中古住宅件数に対する住宅着工件数の伸び率が低下

→中古住宅件数に対する住宅着工件数の伸び率は1990年代から2000年にかけ人口増加ペースを上回ったが、住宅バブルが崩壊した2007年以降は逆転。

2)住宅空室率が低下

2008年と2.9%と2013年の2.0%へ低下し、1990年代の1.6—1.8%の健全な水域に接近。住宅市場の回復を裏打ちし、2012年から顕著となった住宅価格の上昇は年間2-2.5%とインフレ率を超える見通し。

3)住宅ローン金利

30年物住宅ローン金利は1月に4.4%と2012年の低水準から住宅ローン金利が約1%ポイント上昇。AGMRによると、1%ポイント上昇するとともに住宅投資は2—3%低下する。ただし2014—15年に住宅プロジェクトは20%増加する見通しで、2—3%の下押しは一時的かつ限定的に。

以上のポイントから、AGMRはS&P500は裁量消費財と住宅セクターに投資を行っているといいます。

その他のページでも、バロンズ誌はマーケットの好転とともに本領発揮。経済動向を伝えるストリートワイズ欄では「The Hidden Good News On Jobs」と題し、短期失業率は4.2%と50年間平均の5%を下回っており賃金上昇率を押し上げる期待があるとしています。また2008年終盤以降に米企業の売上が7%増だった半面、1株当たり利益が120%も跳ね上がったのは①自社株買い、②コスト削減、③ゼロ金利——を最大限に活かした賜物であり、今後は売上を伸ばし成長を軌道に乗せるため雇用と設備投資が必要とも提言。MKMパートナーズのマイケル・ダーダ氏の見解を引用し、成長加速局面で2016年をメドに黒字化する可能性に触れるとは、共和党寄りの同誌とは思えません。

株式市場を掘り下げるアップ・アンド・ダウン・ウォールストリート欄でも、「Dow-polaypse Now?」にて1929年とチャートパターンが相似形にあるとの弱気派の主張につき、Fedの役割の違いを指摘。恐慌時代と異なり、バーナンキ議長(当時)が量的緩和第2弾(QE2)を決定した翌日にあたる2010年11月4日付けワシントン・ポスト紙に寄稿したように、緩和策を通じた株価押し上げ効果を挙げていました。米1月ISM製造業景況指数をはじめ米指標が弱含んだ後で株価上昇しつつ、金先物が1300ドルを突破し14日終値ベースで2013年11月6日以来の高値で引けた点も指摘。Fedの緩和継続示唆の神通力切れの懸念に触れており、慎重ではあります。とはいえ、完全弱気でないのがバロンズ誌ですよね。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年2月17日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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