新型インフルエンザのパンデミックに要注意

アゴラ編集部

2005年、中国や韓国、ベトナムなどで鳥インフルエンザウイルスH5N1型が大流行したのは記憶に新しいところです。2009年の夏には、A型H1N1型の弱毒性インフルエンザが発生し、政府がパンデミック(汎発流行、世界流行)を宣言しました。このときにはワクチンが足りなくなり、弱毒性にもかかわらず、日本中が大騒ぎになった。しかし、効果が低いワクチンで、さらに使用されず余ったものが廃棄され、厚労省の対応に批判が集まったものです。鳥インフルエンザウイルス、今ではH7N9亜型に変異し、2013年3月には中国の上海や南京などでヒトへの感染が確認されています。


依然としてパンデミックの危機は去らず、むしろいつ起きても不思議ではない状態です。これについては「オオカミ少年」の批判はあたらない。ヒトに感染する新型のインフルエンザが発生した場合、日本は数週間でパンデミックになる、と言われているんだが、そうなれば2500万人以上が同時期に感染するそうです。毒性の強いインフルエンザでは致死率が10~15%、さらに鳥インフルエンザに感染したヒトの致死率は60%超、とも言われています。

転ばぬ先の杖、インフルエンザにはワクチン、というわけなんだが、ワクチンを作るのには新型のウイルスを同定してから半年以上かかります。流行するウイルスへのワクチンは間に合わないので、今の鳥インフルエンザウイルスから「プレパンデミックワクチン」を作って事前に投与することが最大の防災対策になるそうです。打っておけば、もし感染しても重篤化を防ぐ可能性が高くなる。まだ遅くない。気休めと言わず、予防接種しておいたほうがいいですね。

今の中国では、鳥インフルエンザウイルスN7N9型のヒトの感染者が増えています。2013年5月からほとんど感染者が出ていなかったんだが、寒くなってきてから増加。中国全土では202人が感染し、今のところ死者は46人。かなり高い致死率です。国立感染症研究所によれば、最悪のパンデミックが起きた場合、世界で250万人が死亡するらしい。この情報、要注意です。

ポンコツ日本語教師のメモ in 上海
中国:鳥インフル、江蘇省で2人死亡


アベノミクスとレーガノミクスとの相違と類似
起業の目
ロナルド・レーガン大統領の時代、米国はけっこう不景気でした。1980年代の中頃、マンハッタンの五番街を歩いても、空きテナントが目立ち、路上の若者からタバコをねだられたりした。一方、ロサンゼルスでは、1984年に20世紀フォックスの跡地であるセンチュリーシティにセンチュリープラザホテルのタワーが建ちます。映画界出身大統領らしく、ここのボールルームで彼は大統領選2期目の勝利を祝ったわけです。東海岸と西海岸で若干のタイムラグがあったんだが、いわゆるレーガノミクスで、米国経済は息を吹き返しました。一方の「アベノミクス」なんだが、名前だけ拝借した政策で劣化コピー。思ったほど実質成長率も上がらないし、失業率も横ばい。輸出関連の大企業ばかり業績を伸ばす、ということになっています。財政再建は遠のき、税収増も期待できず、庶民への消費税増税ばかり重くのしかかってくる始末。経済金融のトリレンマは理解できるものの、じゃいったい誰に負担を強いるのか、というのがよくわかります。

Chile, Peru And The ICJ: A Line In The Sea
BUSINESS INSIDER
権利の主張、というのは利害が相反すれば、常に圧力をかけ続けないと負けてしまいます。国家が生まれる以前から、領土領地を巡る紛争は世界中にあった。鎌倉幕府に限らず、国家のレゾンデートルは、こうした領地問題を解決することにこそあるわけです。その国家自体も権利の主張のし合いっこから逃れられない。この記事では、100年以上も揉め続けてきた南米のペルーとチリの太平洋における領海紛争がハーグの国際司法裁判所の裁定で一応の結着をみた、と書いています。これは知らなかった。1879年~1883年までもう一つの「太平洋戦争(War of Pacific)」が南米で起きていたそうです。ボリビアに今は海がない。それはこの戦争で太平洋岸の領土を失ったせいらしい。ハーグの国際司法裁判所というのは単なるお飾りかと思っていたんだが、やるときゃやるんですね。さらに、今回の判決により、南米の他の国の国境紛争にも影響が出るかも、と書いています。

キングジムからノイズキャンセル耳栓『MM1000』、周囲の騒音を約90%カット
engadget 日本版
耳から白いコードを垂らしている人が電車の中によくいます。たぶんアレは音楽を聴いているんでしょう。と思っていたら違うかも、というガジェットが出ました。外界の騒音に我慢できない人に朗報。これはノイズキャンセリング機能付きの単なるイヤホンです。3月7日から売り出されるらしい。価格は4980円(税抜き、電池別)。高いのか安いのか、といえば、ノイズキャンセリングの音楽用ヘッドフォンがもっとも安い物で5千円ほど。しかし、いっそ補聴機能も付ければいいのに、と思う。

How healthy are Scotland’s otters?
PHYS.ORG
山口県の日本酒「獺祭」が人気のようです。獺祭、というのは季語にもなっている。正岡子規のペンネームの一つが「獺祭書屋主人」。カワウソは春になると捕らえた魚を川の石の上に並べる習性があり、そこから本などを開いて並べる様、さらに本の虫干し、読書家などについての表現になった、というわけです。神奈川県の藤沢には『獺祭』という名前の居酒屋があって、けっこう人気。いつも混んでます。この記事は、英国のカワウソの生態について書いたもの。ニホンカワウソは1979年に高知県で目撃されたのを最後に絶滅した、とされているんだが、ご多分に漏れず英国のカワウソも絶滅の危機に瀕しているらしい。環境汚染の影響からか、オスのカワウソの生殖器に異変が出始めているんだそうです。これは怖い。人ごとじゃありません。


アゴラ編集部:石田 雅彦