雇用を流動化させる目的とは何か

アゴラ編集部

雇用の流動化は産業界の強い願望のようです。右肩上がりの業績がなかなか見込めない経済状況で、正規雇用をなるべく減らし、労働力のバッファを保っておきたい企業は、中途採用の社員を容易に採らないし、採っても非正規契約にとどめておこうとするでしょう。理想的には、日本型の終身雇用がなくなって雇用が流動化し、社員も自分がやりたい仕事を充分な環境でするために容易に転職でき、雇用側も適材適所の人材を広く集められるようになるのがいいんだろうが、今の経済状況で流動化させれば働き手全体の士気を下げる効果しかありません。


転職を繰り返すたびにキャリアアップできればいいんだが、そうした強運で「能力」のある人は多くありません。その結果、転職を繰り返すたびに条件が悪くなり、賃金も安く環境の悪い職場で仕事せざるを得ないことになります。雇用するほうも、何度も転職を繰り返す人材は敬遠しがち。いくら雇用の流動化を唱えても現実は厳しい。首を切りまくって業績を回復させた企業が、再び正規雇用者を大量に採用するとは思えません。一方で、終身雇用時代に就職した世代が不良在庫のごとく大量に正規社員に残っている、という現実もある。

もちろん、雇用を守ったせいで企業が倒産してしまえば元も子もないんだが、ニワトリと卵のごとく、景気が良くなり、企業が設備投資に積極的に金を使い、人手が足りなくならなければ解決困難な問題なんでしょう。政府行政もいろいろ考えているのは確かです。しかし、雇用を流動化させたら景気が良くなるのなら世話はない。単なる息継ぎのカンフル剤ではなく、タコが自分の脚を食べている状態に陥らないような政策を実施してほしいものです。

キャリコネ
「社員を1人クビ」で最大60万円 「おいしすぎる助成金」に批判集中


マニア必見。デヴィット・リンチの映画『デューン/砂の惑星』試作版の写真
カラパイア
この映画で当方、湿気がモイスチャーということを知りました。リンスなんかにつけられてた単語なんだが、砂漠で湿り気を感じたヒロインが「モイスチャー」とつぶやいていたからです。まだポリス時代のスティングが悪役で出ている。けっこうカッコイイんだな、これが。いちおうSF超大作という触れ込みのわりに、どこかB級感がぬぐえない映画です。カイル・マクラクランが主演の映画って、みんなそんな感じ。デヴィッド・リンチ監督はやけにこの俳優が好きなようなんだが、足を引っ張られてると思う。

リニア中央新幹線は歴史的愚行
日本のビジョン
日本の土木工学の粋を集めた工事になりそうなのがリニア新幹線です。日本アルプスに長大なトンネルが開通するだけで、かなり大きな影響が自然環境に起きそうなんだが、それについてはあまり語られていません。マスメディアは広告主には何も言えない。起点となる品川駅も深度の深い地下に設置されるため、地上からホームに行くだけでも数十分かかる、と言う人もいます。東京駅から既存の新幹線に乗ったほうが実は早かった、という笑えないことになりかねない。今からでも検証し直したほうがいいのかもしれません。

金メダリスト・村田諒太が3戦連続のKO勝利!
TAKUの日記
メキシコのビールといえばコロナが有名なんだが、テカテというブランドのビールを出している会社もあります。日本におけるアサヒとキリンみたいなもんだ。このテカテはプロボクシングのスポンサーになっているんだが、中国市場をにらんでマカオでボクシングの試合を開いています。リングアナウンサーの第一人者であるマイケル・バッファーやおなじみのテカテキャンペーンガールたちも一緒に乗り込んで積極的に売り込んでいる。このブログでは、ロンドン五輪の金メダリスト、村田涼太選手が無難にプロデビュー後の三戦目を勝利で飾った、と書いています。この試合、確かに余裕を感じさせる内容だったんだが、プロの試合のテスト的な雰囲気もありました。帝権ジムがプロモートしてるだけに、大事に大事に育てている、といったイメージです。こうした試合がこれからも続くとは限りません。どこかに「プロの壁」が立ちふさがるんでしょうか。

立ち食いそば、あなたはいつもどのお店で何を食べますか?
戦後史の激動
マンガ『美味しんぼ』で、立ち食い蕎麦にコロッケを入れる美味さについて描かれてる回があるんだが、確かにあれは止められませんね。濃い醤油味の関東の蕎麦汁が、次第にコロッケを侵食し、グズグズに柔らかくなっていく過程のコロッケがやけに美味い。温かい蕎麦は回転率を上げるため、わざとぬるくしてるそうです。当方は、新橋駅ビルの烏森通り側にある小さな立ち食い蕎麦が大好きだったんだが、まだあるんだろうか。「ゆで太郎」は、1979(昭和54)年に創業者の水信春夫氏が大森駅前に出した弁当店が始まりらしいんだが、ここまで店舗が増えるとは外食産業にはやはり金鉱が眠っているようです。


アゴラ編集部:石田 雅彦