東日本大震災の風化防止には、サステイナブルな仕組みが必要 --- 内藤 忍

2014年03月11日 17:08

東日本大震災から3年が経ちました。日経新聞によれば、今なお27万人もの人が避難所で生活しています。3年経つと、東京にいるほとんどの人たちは、東北のことなど忘れてしまい、年に1回だけ思い出す。そんな状況が当たり前になってしまいました。

日経ビジネス最新号(2014.3.10.号)の41ページに東大社会科学研究所の玄田有史教授が、「悔しさ」から見えてくるもの、という一文を寄せていいます。


被災地の人たちが一番恐れていることは「忘れ去られること」だそうです。震災直後には、タレントさんや有名人がこぞってボランティアに出かけ、毎日のように報道された東北も、少しずつ忘れ去られていきます。

ソチオリンピックで金メダルを獲得した羽生選手が思い出させてくれた東北の被災地のこと。それすら既に過去のことになりつつあるのです。

震災の記憶を忘れず、思い続けるためには、ボランティアのような方法だけでは、不十分だと思います。「かわいそうだから助ける」「困っているからサポートする」という気持ちも大切です。しかし、それ以上に「サステイナブルな仕組み」を作っていくことが、これから5年、10年と想いをつなぐために重要なのではないでしょうか。

東北に行くと楽しい、東北に美味しいものを食べに行きたい、東北の自然を堪能したい……そんな気持ちがあれば、自然にまた東北に行って見ようという気持ちになってきます。そして、現地で美味しいものをたべ、自然は地元の人たちとふれあい、楽しい時間を過ごすことができるのです。そんな東北の魅力がもっと知られてくれば、より多くの人が足を運ぶようになると思うのです。

手前味噌になりますが、丸の内朝大学のマネーコミュニケーションクラスでは、フィールドワークで、毎回東北に出かけていますが、これがとても好評です。

地元で復興を目指し、頑張っている商店やメーカーさんを訪ね、現地で復興がどのように進んでいるのか、何が問題になっているのか、生の声を聞くことができます。笑いあり、涙あり、本当に毎回貴重なお話が勉強になります。

そして、地元の新鮮な魚介類を食べたり、美味しい地酒を楽しんだり、温泉で温まったりと、楽しい時間も過ごせるようになっているのです。気仙沼の屋台村で2次会をするのも良い思い出です。

このフィールドワークを通じて、お金がどのように使われ、世の中の役に立っているのかを実感する。そして、東北の現状を見て、ファンになったフィールドワーク参加者の皆さまが、それをフェイスブックなどで発信することで、日本全体からもっと東北に目を向けてもらう。

現地のお店で買ったおみやげは、現地の経済を活性化させるだけではなく、職場や友人に配られて、それがまた東北に興味を持ってもらうきっかけになる。

小さな力なのかもしれません。しかし、義務や人助けと思ってやっているのではなく、自分が楽しいことが知らない間にたくさんの人を巻き込んで、東北の支援を長期に渡って続けられる仕組みになっているのです。

春学期の申込みは3月12日から一斉に開始します。定員は50人限定ですので、興味を持たれた方はお早めにお申込みください。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年3月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


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