韓国の反日キャンペーンに利用される「河野談話」 --- 水谷 伸治

2014年03月16日 12:01

最近、国会で石原信雄元官房副長官が証言するなど、河野談話を巡る議論が活発になっている。

河野談話の問題点は、その曖昧さによって、韓国自身に加害者の側面があったことが分からなくなり、「被害者ヅラ」しやすくなっていることだと言える。

朴大統領が就任早々「加害者と被害者の立場は千年変わらない」と宣言したように、韓国人は「韓国人=被害者」というキャラ設定に異常な執着を見せる。河野談話はそんな韓国人にとって実に都合のいい「物語」となっているのだ。


1.韓国自身も悪行の主体だったことが分からない。

「強制連行を認めたようにも読める」とも言われる河野談話だが、一応、「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たった」と書いてはいる。

当然、韓国(日本統治下の朝鮮八道)内では同胞の韓国人業者が主に行っており、慰安所を運営して韓国人慰安婦に暴力やピンはね等を行ったのも韓国人業者が多かったのだが、そこまでは伝わらない文面となっている。韓国の反日宣伝によって、韓国人業者の悪質さまで「日本軍はひどかった」という話になってしまっている現状は日本人としては腹立たしい。

2.戦争地域との状況の違いが明確になっていない。

続いて、「その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に官憲等が直接これに加担したこともあった」とある。「官憲等が直接これに加担したこともあった」とは、東南アジアや中国などの戦争地域で起こった軍紀違反のケースを指すものだ。

韓国は普通に統治された日本帝国の一地域だったので、戦争地域ではなく、むしろ戦争加害者の側であった。募集状況も日本と同様であり、戦地とは全く状況が異なる。証言集などでも「軍人に連行された」というような証言はごく少数で、「親に売られた」とか「業者にだまされた」のようなものが多い。

にもかかわらず、一部の証言に配慮して、韓国でも「官憲等が加担したこともあった」ようにも読めるようにしたため、状況の違いが伝わらなくなってしまった。韓国の反日活動や海外の報道でも、韓国と東南アジア・中国が同列に扱われ、しばしばインドネシアの白馬事件のような悪質なイメージで語られている。

ただ、これを否定しようとして「日本軍による強制連行はなかった」「証言を裏付ける証拠はない」と主張すると、国際社会の受けが悪い場合が多い。日本軍の選定した業者によって「本人たちの意思に反して集められた事例が数多く」あったことは事実であり、また、人身売買は移送や管理も併せて成り立つものなので、どうしても言い訳がましく聞こえてしまうのだ。

3.「身売り」が当たり前の時代だったことが書かれていない。

甘言、強圧による等、「本人たちの意思に反して集められた」「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった」というのは、「身売り」の慣行が主な原因である。当時の日本や朝鮮では「身売り」が社会の慣行として残っており、犯罪とは認識されていなかった。これは貧困とセットの問題であり、現代でも貧しい国では普通に見られる社会問題である。昔は世界中でもっと当たり前に行われていて、甘言なども厳しく取り締まられていなかった。

有名な「Japanese Prisoner of War Interrogation Report No.49」という米軍報告書でも、「虚偽の情報に基づいて志願」「家族の借金の返済のため」「軍規とハウスマスターによって束縛された」などと業者の甘言や身売りの実態が記載されているが、「慰安婦とは売春婦に過ぎない」とも書いている。日本を目の敵にしていたアメリカでさえ、甘言も束縛も問題にしなかったのだ。貧しい時代の娼婦とはそういう気の毒なものであった。

しかし、河野談話は、問題の根本にあったこのような社会状況も示さずに、「当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」とし、日本政府として「お詫びと反省の気持ちを申し上げる」としている。これでは「日本の植民地主義の産物」「日本軍特有の戦争犯罪」のように誤解されるのも当然である。

石原信雄氏は国会で「日本の善意が生かされていないのは残念だ」と述べたが、いくら善意で作ったと言っても、これでは国益を無視して韓国のために書いた、まさに「売国談話」だったと言わざるをえない。河野談話が日韓合作による妥協の産物であったこと、その問題収束のための「善意」を韓国が悪用していることもしっかりと発信すべきだ。

河野談話の「見直し」は海外からは「歴史修正主義」と批判的に見られている。できるだけ静かに「検証」を進めた後、説得力ある「解説」をしたり、「補足」した談話を出すなりして、曖昧さを解消するのがベストだろう。事実が明確になれば、韓国の慰安婦キャンペーンの「悪意」の卑劣さ、アジア女性基金や小泉首相のおわびの手紙などの日本の「善意」の十分さも国際社会で理解されるはずである。長年の誤解が解け、腹立たしい騒動が収まっていく一歩となることを期待したい。

水谷 伸治
関西学院大学 学生

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

関連記事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑