日本外交と国際的リーダー不在の「G0」時代 --- 岡本 裕明

2014年03月27日 11:25

G0、つまり、世界に圧倒的なリーダーが存在しない中、どの国家も均等な権利と義務を持ち合わせながら世界の平和と発展を目指す、ということかと思いますが、正直、非常に難しい時代に突入したとも言えます。その中で日本の立ち位置はどうなのか、今後、日本がどう振る舞うべきなのか、このあたりを考えてみたいと思います。


戦後、冷戦を通じてアメリカとソ連という二大大国が世界地図の色を塗り分けていました。いや、戦前も世界は様々な形でブロック化し、同様であったと思います。国家がチームを組んで他の連合チームと戦うという構図でした。アメリカとソ連という超大国は直接対決こそなかったもののいわゆる代理戦争は数多く、朝鮮戦争もベトナム戦争もその一環でありました。

この冷戦体制が終焉したのはソ連の崩壊でありますが、いわゆるソ連型社会主義システムがワークしなくなったことが直接的原因であります。ソ連型システムは初期には機能していましたが、時間の経過とともに弊害が多くなり、労働生産性が格段に落ち、ソ連の人はウォッカ漬けになってしまったことで経済よりも社会そのものが崩壊したとも言えます。

アメリカとしてはそのソ連の崩壊を見てアメリカが支配する世界(パクスアメリカーナ)が始まったと思われたのですが、911やイラク戦争などでアメリカ人のマインドは大きく変化しました。私もアメリカとは1980年代初頭からの付き合いですが、あの頃のアメリカと今のアメリカは目つきが違う気がします。一言で言えば、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、キワニスクラブより自分の家庭、職、財布という目線の位置の変化でしょうか? 近視眼的な感じがします。

先進国首脳会議、G7がG8になり、G20になりました。一般的にはG20は世界のGDPの9割、世界貿易の8割、総人口の3分の2をカバーする広範な取り組みであり、先進国主導型から新興国も交えた対話を生み出すという趣旨でありました。しかし、それが具体的に大きな成果を上げているという話は聞きません。あえて言うなら国連の経済版ということかもしれません。

それは利害関係がより複雑になり、誰が誰と仲良しか、ということがよくわからなくなっていることが挙げられましょう。

例えば今回のクリミアの件にしてもロシア、ヨーロッパ、アメリカのボイスの温度は完全に相違しています。そして、ヨーロッパの中でもドイツ、イギリスとポーランドでは全く違うでしょう。それゆえにいわゆるチームとしてのまとまりが取れない状態が生み出されているのです。

オランダで行われていた核サミットはむしろ、本題より、各国首脳の力の見せ合いの場と化しています。例えば日米韓の首脳会議は実に表面的な形だったと思います。北朝鮮問題にしても同国をめぐる利害関係が何年たってもまとまらず、嫌な言い方をすればあの小国をアメリカ、中国、ロシアという大国が居ながらしてなかなか方向づけができないということであります。

ならば、これからの外交とは二国間が更に重要になってくるということかもしれません。もともとは所属意識という中での国家の立ち位置でした。日本は「アメリカ派」として色付けされていたのです。ですが、アメリカは日本を同盟国の一つとは思っていますが、重要度は大きく後退したと思います。それはオバマ大統領の奥様とお子様が中国で1週間も過ごしたことが好例かと思います。

日本のアメリカ色が薄まるとすれば何色にするか、というのが安倍晋三首相の最大のチャレンジであると思います。首相の答えは日本色であります。G0の時代に突入した中で日本は自立するということを求められています。アメリカの庇護の元、ぬくぬくと育ちましたが、いい加減にアメリカと同等の立場になるだけの器量と力量と政治力を持たねばなりません。日本はヨーロッパにおけるイギリスのようなポジションを目指すことになるのでしょうか?

国家間の付き合いは以前に比べより緊密化しているように見えますが、私にはSNSのような薄っぺらで表面的な利害対立の構図も目立つような気がします。だからこそ日本は自分の立ち位置をしっかり固めなくてはいけない、そんな時代にいることをすべての日本人が認識しなければならないと思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2014年3月27日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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