アマゾン創業者ベゾス氏に教えてもらった「選択」の重要性 --- 内藤 忍

アゴラ

毎日読んでいるメールマガジンのコラムに、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスが母校プリンストン大学で行ったスピーチの話が紹介されていました。今や、日々の生活でアマゾンなしは考えられません。本だけではなく、ティッシュペーパー、ヘアワックスからミネラルウォーターまで。買い物の苦痛から解放してくれる素晴らしいサービスです。

スピーチのテーマは「才能と選択の違い」です。

ベゾス氏は、アマゾンを創業する前は金融機関で働き安定した生活を送っていました。結婚直後に、そんな安定を捨てて、起業するかどうかという選択をすることになります。


もし、彼がそこで「リスクを取って起業する」という選択をしなければ、どんなに才能があったとしても、それが世の中に知られることは無かったのです。そして、アマゾンという会社も存在することは無かったでしょう(似たような会社はあったかもしれませんが……)。

才能というのは生まれつきのものですから、努力は必要ありません。しかし、選択をするということ、自分が努力して決めなければいけないことです。

ベゾス氏が強調するのは、才能は人間を傲慢にし、才能に溺れると正しい選択ができなくなってしまうということです。

アマゾンを創業するかどうかというのは、大きな選択だったはずです。そこまで大きな決断は無いかもしれませんが、実は私たちの日常生活も選択の連続です。一見平凡に見える毎日にも無数の「選択」があるのです。

例えば、私の場合、朝起きると、ブログに何を書くかを「選択」します。朝ごはんに何を食べるか「選択」し、ミーティングに出かければ、ビジネスの進め方について「選択」しています。

そんな風に考えていくと、人間は誰でも毎日膨大な数の「選択」を積み重ねていることに気が付きます。そして、過去の「選択」の蓄積が、今の自分を作っているのです。

無意識に選択しても問題の無いこともたくさんあります。しかし、振り返ってみると、人生を変えるような大きな選択が、あまり深い洞察も無いまま安易に決められてきたことに気が付くのです。せっかく自分が生まれながらに持っているものを、安易な選択によって無駄にしてしまったことに気が付きます。

誰にも、必ずその人にしかない才能があります。でも、それをどう使うかは、その人の「選択」次第なのです。「選択」に対して、もっと丁寧に、ベストを尽くすことができれば、もっと豊かで満足できる人生を得ることができるということです。

とは言え、今さら過去を振り返って後悔しても意味はありません。これからもまた毎日、人生の「選択」は続きます。今日誰と会うか、何を話すか、何を決めるのか……。これから自分が「選択」していくことにエネルギーを注ぐべきです。

10年後、20年後に自分の人生を振り返る時、心に残っている「選択」ができるように、毎日を丁寧に生きていきたい。ベゾス氏のスピーチには、今日から何を大切に生きていったら良いかについて、大切なヒントがありました。

日本語訳と動画はこちらのサイトからご覧いただけます。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年3月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。