好調な「牛すき鍋」系の明暗を探る

アゴラ編集部

牛丼のファストフードチェーン「吉野家ホールディングス」が、今年2月期の業績を上方修正したそうです。売上げも純利益も増えたらしい。その理由の一つが顧客単価が上がったから。2014年4月現在、牛丼の並盛は300円なんだが、並盛りで590円の「牛すき鍋膳」というメニューがよく出ている。鍋仕立て、固形燃料で加熱調理し、卵と漬け物がついているとはいえ、値段が約倍です。


このメニュー、スキヤキなので白菜や長ネギ、豆腐、さらに平打ち麺が入っていて、普通の牛丼よりも野菜を少しは余計に食べることができます。安く速く手軽に食べる、というスタイルから、多少は高くても時間をかけて食べたい、というようにニーズが変化してきたんでしょうか。「吉野家」によれば、これまで同チェーンに足を運ばなかった高年齢の女性の客にもアピールしたようです。

同じ牛丼チェーンの「すき家」の場合、似たような「牛すき鍋定食」というメニューがありました。これは「吉野家」の「牛すき鍋膳」が好調だから、というわけで「すき家」も約2カ月遅れで導入したメニューです。値段も同じ。「すき家」の「牛すき鍋定食」も売上げを伸ばし、「『すき家』の名前は『すき焼き』が由来なんです」とまでうたってキャンペーンを展開していました。

しかし、このメニュー、4月1日から販売を終了しています。再開は未定。「吉野家」でヒットしているのに、どうして、というのは当然の疑問なんだが、手間暇のかかるメニューにスタッフが音を上げ、その負担に対応できなくなった、という「ウワサ」があります。その余波もあり、店舗を一時、閉めるほどスタッフが不足した、という話もある。一連の騒動は、ネット上で「鍋の乱」と揶揄されています。

これについて「すき家」広報に聴いたところ「すき焼きは寒い季節限定のメニューで、春になって温かくなったから止めた」とのこと。涼しくなってきたら復活するかも、と言っていました。とはいえ、これをなくしたから代わりに暖かい季節限定の新メニューがあるわけではない。ゼンショー広報のレスポンスは素速く感動ものだったんだが、同じように「吉野家」広報に聴いてみると気温が上がっても売上げは下がっていない、とのこと。当初は「吉野家」も季節限定メニューだったらしい。しかし、当面は継続するようです。

いずれにせよ、長引くデフレに飽きたのか、それとも少しは景気が上向いているのか、牛丼に限らずファストフードチェーンの様相が少しずつ変化しているようです。2期連続で減収減益の「マクドナルド」を見ればわかるんだが、低価格の代表格だった牛丼チェーン各社が横並び路線から足並みを乱している。前述したように「吉野家」の牛丼並盛は、280円から300円へ20円値上げ。一方の「すき家」は270円と10円値下げしています。

食べ物について、消費者の意識も変わってきたのかもしれません。この「内閣府食育推進室」の調査によれば、家族一緒に朝ご飯や晩ご飯を食べたい、と答える家庭が増えているようです。また、偽装事件や食中毒、毒物混入事件などが頻発したからか、みなさん、食材の安心安全、健康にいいメニュー、食材のバランスといった項目に心がけるようになっている。

核家族化が進み、女性が社会進出し、外食の機会が増え、安い外食産業も街中にたくさんあるような時代です。しかし、安かろう悪かろうの食事を続ければ、それは国民の健康を害し、回り回って医療費の増額など社会のコストになっていきます。国民の側も将来的に自分の健康を守るのは自分だけ、という意識に目覚めつつある。ファストフードチェーンもこうしたニーズに敏感に反応しなければならなくなった、というわけでしょう。

わようふうどっとこむ
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アゴラ編集部:石田 雅彦