自分の街の市長の名前、言えますか?

2014年04月19日 07:00

もうネット上で公知の事実になっちゃったけど、おととい家入さんと一緒に中野区長選に立候補予定のきじけんじ氏(喜治賢次)との面談に行ってきた。インターネッ党がいよいよ参戦かと一部で憶測を呼んでいるかもしれないが、いやいや、都知事選での我々のネット選挙の取り組みについてお話させてもらっただけです。で、これを読んだ社会部の区政担当記者のあなた。“党広報委員長”の私に電話しないように(笑)。


◆投票率が低いから侮られる中野区民
中野区といえば、我が党の“政調会長”が以前、ブログで書いていたように、田中区長のプーチン化は目に余りますね。いや、多選を批判しているのではない。有能で有権者の声に耳を傾け、いつまでも若々しく動けるなら4選、5選したって結構だ。しかし自分で決めた多選自粛条例を、こうもあっさり翻すとはね。政治家の言葉を軽くした罪は重い。

※中野区長選立候補予定者の喜治氏と家入氏
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おかしいのは区長だけではない。何でも区議会で自粛条例撤回案を採決した際、41議席あるなかで、自民13人と公明9人、無所属1人の計23人がもろ手を挙げて賛成し、みんな2人は議場からトンズラ(棄権)というチキンプレー。反対は共産6、民主4、無所属6人の計16人で寄り切られたそうだ(議長1人は除く)。

仮に、東京都知事に多選自粛条例があったとして、同じことをやったら、どうなるだろうか?マスコミや市民団体が連日大騒ぎして、都知事や賛成する都議は世論の袋叩きに遭うだろう。こんな見え透いたご都合主義がまかり通るのは、結局、区民もマスコミも区政に関心が無いから。そして、やりたい放題になる。10年前には当時の荒川区長が汚職で逮捕された。23区は900万人が住んでいて、大手マスコミの本社がある割には、監視の目が行き届かない「エアポケット」になっていると感じる。投票率という点でみると、中野区は特にひどい。近年では2006年が27.73%、2010年が30.28%。前回の選挙で田中区長は13%の信任しか得ていない。

◆そもそも区長や市長の名前を知っているのか?
首都圏に住んでいる人は地方行政との接点があまりないので、関心は確かに持ちづらい。地元志向のマイルドヤンキーライフな人ならともかく、「千葉都民」という言葉があるように平日はずっと東京で仕事に邁進していたら、寝に帰るだけの街の行政のことを考える暇もないだろう。結構、政治リテラシーが高そうな新聞記者でも、千葉都民や神奈川都民の場合、住まいのある自治体の首長の名前を知らないなんて珍しくない。政治と縁遠いお仕事をされている方々なら尚更だろう。23区内でも似たようなもので、港区内に住んでいる外資系企業勤務のリア充父さんが、区長の名前が武井さんなんて知っている人がむしろマニア扱いだろう。

◆候補者が動画で悲痛な叫び
ネット選挙に携わってきた身としては、各地の選挙の色んな取り組みを見ているのだが、市長選レベルの地方選に関して一つ印象に残ることがある。都市部の場合、低投票率を嘆く候補者がいることだ。たとえば新人3人で争われた昨年10月の川崎市長選。元県議で無所属の福田紀彦氏が、自民・公明・民主相乗りで支援した元市財務局長らを破ったのだが、福田氏は14万2672票、元局長は13万9814票という僅差での結果だった。このとき「選挙業界」で勝因の一つと話題になったのが、選挙戦終盤に福田陣営が流した動画だ。1分半ほどで、こう訴える。

※低投票率の問題を訴えた福田市長の動画
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この市長選挙、毎回投票率が低いんです。市民の参加の無いところに決していい街づくりはありません。今回は新人同士の市長選挙となっているんです。私、福田紀彦に一人一人の力を貸してください。大きな団体からの推薦は一切求めず、市民の皆さんの力を一人一人結集して新しい川崎を作る。そういった今回の選挙なんです。私、福田紀彦に力を貸してください。これまで42年間続いてきた官僚天下りの市政、今度こそチェンジして市民の代表、市民市長をぜひとも作ってください」

それまでの川崎市長選の投票率は2001年(36.76%)、05年(36.32%)、09年(36.09%)と言う具合に典型的な都市型不人気地方選のパターンだった。福田氏が投票率の低さを問題提起するのは、勿論、組織が無いが故の選挙戦術の側面もあるだろうが、もっと根源的なもの、つまり、街を良くするために市民の力が必要だという政治家としての「悲痛な叫び」だ。結局、投票率は32.82%と相変わらずだったものの、福田氏の真摯な思いが通じたかのように僅差で強敵を打ち破った。

◆今週末、注目は西宮市長選
今週末は、大型連休前とあって各地で選挙戦が多い。川崎市と同じベッドタウン型の選挙では都内で練馬区長選があり、関西では西宮市長選がある。

そのなかで個人的には西宮市長選に注目している。2期目を目指す現職の河野昌弘氏に、共に元市議で無所属の今村岳司氏と高橋倫恵氏が挑戦するという構図なのだが、川崎と似たような雰囲気を感じるのは、自民・公明・民主相乗りの河野氏に、組織は無いものの若くて地力のある今村氏が真っ向勝負を挑んでいるところだ。

※筆者の中で政治家サイトのカッコよさではナンバーワンの今村氏
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都知事選の時期にたまたま今村氏のホームページを見た際、今まで見てきた政治家のページで一番カッコいいと感じて印象に残った(デザイン、コンテンツともに充実)。ずば抜けたセンスから只者ではないと思ったら、常見のアニキとリクルートで同期だったそうで、やはりビジネスの世界で揉まれている。アニキいわく「ゼロから地盤を作り上げた」そうで、前回の市議選はトップ当選。今回、不必要な大型事業のストップ等を訴えて市長選に打って出た。

西宮市長選も川崎と同じく投票率は低い(2004年=26.81%、08年=32.93%、10年=33.65%)。福田氏と同じく、今村氏も投票率の低さを問題提起していて、こちらはホームページで、分かりやすい図解=下記=をまじえ、「政治家は『市民の代表』ではなく『投票した人』の代表に過ぎません」と訴える。アニキやおときた君を始め、私も周りの人が応援しているので、どうなるか注目している。
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「市長(区長)の名前なんか知らないよ」というあなた。あす投票所に行くのは勿論、きょう期日前投票に行くもよし。たまには自分の住む街のことを考える機会として、一票を入れてみてはいかがでしょうか?
私たちが、一部の人たちに舐められないために。

新田 哲史
Q branch
広報コンサルタント/コラムニスト
個人ブログ

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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