バロンズ誌、強気姿勢に差し掛かるベアの影 --- 安田 佐和子

2014年04月21日 08:36

今週号のバロンズ誌、カバーはご覧の通り。

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住宅購入シーズンの到来に合わせ、ホーム・デポに「買い推奨」です!25%上昇もかくやといいますから、聞き捨てなりません。そのほか表紙の右上には、「高値でも価値あり、グーグルとレッドハット」とも明記。14日週はナスダックをはじめ株式相場が前週の下落を打ち消す動くを示したせいか、強気スタンスを貫いています。

ただし、「ストリートワイズ」では ” 強気に乗るな(Don’t Run With The Bulls)”とのタイトルを冠し、慎重な見方を呈しています。

1)割高

・S&P500構成銘柄の株価収益率(PER)は16倍で、ヒストリカル平均を上回る水準

・S&P500のバリュエーションは構成銘柄の売上に対し1.67倍、2000年のITバブル当時以来の高水準

→20億ドルのファンド「ハスマン・ファンド」を運用するジョン・ハスマン氏は、向こう2年以内に株式相場が下落する確率を40%と試算。

2)利益率は過去最高水準も、低金利と低労働コストが背景

→ハスマン氏いわく低金利と低労働コストは、将来反転へ。

3)5年間のブル相場をへて、IPOと創業者など持ち株売り出しが増加

→同コラムのほか、別コラム「アップ・アンド・ダウン・ウォールストリート」では、創業者など持ち株を売り出す株主(selling shareholders)が増加中と指摘。1-3月期には目論見書でselling shareholdersを報告した企業は270社以上で、前年同期比18%増だったという。関係者が持ち株を売却する場合は2004年や2007年などブル相場に急増し、2003年や2008年に干上がる傾向が高い。

4)米連邦公開市場委員会(FOMC)に頼り過ぎるべからず

→グリーンスパン元FRB議長やバーナンキ前FRB議長など歴代の議長は、50%に及ぶ株式相場の急落を未然に防げなかった。

5)引き金はETFか

→1987年のブラックマンデー当時はポートフォリオ・インシュランスとプログラム売買が、2001年のITバブル崩壊時は急増したIPOが、2008年の金融危機はサブプライム問題が引き金に。今度は、ETFがカギを握る可能性。2008年時点で市場価値が5310億ドルに過ぎなかったところ、2013年には1.7兆ドルへ膨れ上がった。

バロンズ誌の人気ランキング記事ではNY時間の午後3時半時点で、このコラム欄が2位でした。楽観的なアメリカ人投資家の間でも、今後のマーケット動向を不安視し始めたのかと思ったら・・コメント欄では「ハスマン氏のファンドのリターンはS&P500を過去10年にわたって8.5%も下回っている」を始め、コラムに取り上げられた同氏の見方に批判的な声が多かったんですよね。ハスマン氏がマーク・ファーバー氏を連想させる超弱気派であることも、一因でしょう。やっぱりアメリカ人は、ブル寄りです。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年4月20日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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