アジアの「水かけ祭り」は壮絶な市街戦

アゴラ編集部

東南アジアの「旧正月」である4月中旬になると、あちこちで「水かけ祭り」が行われます。有名なのは、タイの「ソンクラーン」。街中で遠慮会釈なく誰でも見境なく水鉄砲で水をかける。さながら水鉄砲の市街戦の様相を呈します。


当方、中国の広東で「水かけ祭り」を体験したことがありますが、日本からのご一行様を乗せたバスが祭りをやっている街へ入っていくと、映画『砲艦サンパブロ』の一場面のように中国民衆から取り囲まれ、いきなり水鉄砲で激しく攻撃されます。バスを降りた我々も、現地のガイドさんから水鉄砲とビニールの雨合羽を渡され、市街戦に参戦。これがめちゃくちゃ楽しいわけです。

豊年満作を願うアニミズム的な行事や旧正月のお祝いが仏教などと合体し、日本の雛祭りで「流し雛」をして水で汚れを浄めるような「禊ぎ」的な要素が加味され、乾季が終わって雨が降り始める季節にふさわしい行事になったのがアジアの「水かけ祭り」かもしれません。日本では、旧盆のころに富岡八幡宮の夏祭りで水をかけたりしますが、これは神輿のお清めと暑気払いのような意味です。

この「水かけ祭り」、タイや広東省以外でもラオスやミャンマーなどでも行われています。地域によっては、かなり過激な「水市街戦」になるようで、けが人が出たりするらしい。仏教では、4月8日に釈迦像に水や甘茶を注いで浄める「灌仏会(かんぶつえ、花祭り)」が行われ、これと「水かけ祭り」との関連も充分に考えられます。また、同じ時期、二十四節気の穀雨(こくう)となり、温かい雨が降り注ぐ季節でもあり、そうした気象現象との連想も楽しいでしょう。

ロケットニュース24
タイのソンクラーン「水かけ祭り」に参加する際のマナーとアドバイス15個


日本で衰退産業の漁業は、ノルウェーでは高収入職種? ノルウェーサーモンのビジネスモデル
ビーカイブ
日本の農水系産物というのは、かなり改良の余地があるとよく言われます。それを農協や漁協、古い体質の業界、地域が疎外している、とも言われる。TPPなどが刺激になり、このあたりの「既得権益」が崩壊し、もっと合理的に収益を上げられ、働く人も地域も豊かになる方法があるはず、と主張する人もたくさんいます。しかし、従来の利権を守りたい側の抵抗が強く、なかなか実現しない。日本は安易に人件費を下げ、コストを抑えれば競争に勝てる、という発想になるわけですが、どうもそれでは長続きしないようです。農水業界に限らず、もうちょっと知恵を絞って工夫をしなきゃならないんじゃないでしょうか。

Sex claim shows desperation of Malaysia’s rulers, says top opponent
the guardian
行方不明中のマレーシア航空370便について、その原因に関係しているのでは、と言われているのが、マレーシア政界の大物で野党の指導者、アンワル・イブラヒム氏です。同氏は、反マハティールの急先鋒ですが、1999年に贈収賄と同性愛の罪で有罪判決を受けています。イスラム圏のマレーシアで、同性愛は懲役刑になる犯罪とのこと。これで失脚したかにみえたアンワル氏は、汚職のほうの服役を終え、同性愛のほうの罪が最高裁判所によって覆され、2004年に釈放されます。2008年から政治活動を再開した直後、再び同性愛の罪で逮捕され、一審では無罪、控訴審で一転して有罪になってしまいました。マレーシア機の機長は、熱心なアンワル氏支持者だったので、この判決に絶望し、自殺的なフライトに出たのでは、というわけです。同氏の裁判は、まだ続いているようで、5月にも再審理が行われるらしい。一連の事件と裁判は、マレーシア政界の権力闘争、とも言われ、スキャンダルにまみれた政治家と彼を支持するマレー人層、という構図がある。マレーシアでは、マハティール政治の矛盾が深まり、批判が高まってきていることが背景にあるようです。

ポルノ化する地方都市にモラルはあるのか
グダちゃん日報
古くからの日本の街並みが破壊されつつあります。駅前はドーナツ現象でシャッターストリートになり、街道沿いの周縁部に突如として大規模スーパーやシネコンが出現し、まわりには派手なパチンコ屋や家電量販店、中古車屋、ファストフード店、紳士服店などが増殖し、人間の流れが変わると同時に従来の街並みが廃れていく。デフレ的欲望充足型の貧困なる「ロードサイド」文化です。このブログでは、そうした街道沿いに目立つのが、AV鑑賞をうたった書店の顔をしたビデオ店であり、ようするにそれら店舗はあからさまな「ポルノ」のデパートである、と書いています。都市部でその種の店舗は、街の隅っこに徒花的に目立たず棲息しているのに、地方都市では「街の顔」になっている。一億総「愚民化」政策がちゃくちゃくと進められている、というわけです。

Missing boy existed only on Facebook
the guardian
2歳の幼児が行方不明になった事件で、その子はFacebookの上だけに存在していた、というフランスで起きたスリラーです。警察が捜査し、周辺の水辺などで溺れている可能性もあるため、大規模な捜索をしたらしい。しかし、手がかりをつかめず、時間が経つうちに、いろいろと不審な事実が判明し、その子は架空の人物だということがわかったそうです。スーパーで買い物中、自分の子が行方不明になった、と騒いだ女性は、懲役刑と罰金刑を科せられる可能性もありそう。架空の家族をSNS上に作り出し、あたかもそれが現実のことであるかのように思い込む、というのはもうすでに正常じゃありません。


アゴラ編集部:石田 雅彦