イーサリアムのDistributed Autonomous Organizationは国家を不要にする

2014年04月22日 11:22

ホリエモンブログで、「イーサリアムやべぇ。。」というエントリがあがった。その中で、私のエントリを参照していただいたようで、嬉しい。

「イーサリアムの衝撃-ビットコイン技術がもたらす社会基盤へのイノベーション」

多くのひとはビットコインを単なる新手の「通貨」としてみているが、ビットコインはブロックチェーンテクノロジをつかったアプリケーションの1つでしかない。

イーサリアムやスマートコントラクトについては、いろいろと凄いことが出来ると予測されている。

なかでも超弩級に凄いのは、「分散型自治組織」とよばれるものであり、この話を聞いた時、わたしは卒倒しそうになった。

これについても、日本で始めての紹介になるかもしれない。

・Distributed Autonomous Organization 略して(DAO)

これは、イーサリアム上の契約(コントラクト)で、分散型の自治組織を作るものだ。

もともと、株式会社や、ファンドというのは、利益の分配についての契約である。株式会社は株主に株券を交付して、それが権利になる。株主総会で意思決定をして、余剰利益を配分する。こういう契約だ。

さて、これを、イーサリアムの契約で記述することはできないだろうか。

ある、ビットコインのアドレスに、ビットコイン建てで会社設立の資金を払い込む。こうすると、イーサリアム契約で株券のような権利が記述され、株主として登記される(匿名でできる)。総会もイーサリアムでして、配当も行う。このような分散型の組織が記述できる。

株式会社を例にしたが、投資ファンドのほうがわかりやすいかもしれない。ファンドというのは本質的に契約の塊だから、契約が記述できれば、ファンドが作れる。

この自治組織は、どこの国にも属さない、インターネット上だけで存在する契約に基づいた組織だ。しかも、どこかの機関が管理するわけではないので、ディストリビューテッド(分散型)だ。

国境を超えた会社や、組織、ファンドなどが、イーサリアム上に作られる。

そして、これは、なだけではなく、この分散型の組織は、性悪説に基づいている。構成員がお互いに信頼がなくても、たとえ匿名であっても、契約により組織を設計することができるのだ。

あるビットコインネイティブの分散組織型ファンドをつくったとしよう。このファンドは、あるビットコインアドレスに送金することで、払込が終了し、権利がえられるファンドだ。出資者は単に、あるアドレスに送金して、コントラクトを作れば良い。すると、自動的に出資者になる。出資者は匿名でよく、それでも契約が可能だ。

ファンドのパートナーは、事前のイーサリアム上での契約により、このビットコインを投資するときに、条件が課せられる。たとえば、パートナー3名のうち2名の合意が必要とか、もしくは一定額以上の投資は、出資者の1/2の同意が必要とかそういうのが記述できる。

年次総会は簡単だ。出資者には、投票用コインを新たに発行し、それで投票してもらう。何万人の匿名の出資者でも対応できる。投票結果は自動的に判別し、偽造が出来きない電子投票が実現する。その結果により、契約の変更や制限をつけるといったこともできる。

利益の配分はもっと簡単だ。余剰利益は毎年ある日付になると、自動的にプールされているアドレスから、出資者のアドレスに送金される。自動的に送金され、1秒とかからない。何万人の出社者は匿名で配当を受け取る。

パートナーは持ち逃げはできない。そのアドレスのビットコインはパートナーだけでは動かせないといったように定義もできるし、毎年自動配当にすれば、執行者が不要で自動的に配当される。

つまり、「相手を信用しなくても契約がすることができ、契約の執行が保証され、執行されれば偽造できない」ということだ。このイノベーションは、ほとんど信じがたい。

よって、監査も不要になる。全てはブロックチェーンに偽造できない形で記載されるので、基本的には採掘者によってリアルタイムで監査されているといってよい。さらに、一部の処理をのぞいて決算の必要もなく、決算もリアルタイムだし、公表もリアルタイムだ。

このような仕組みでは、極論すると、国家が要らなくなる。

国家というのは、極論をいうと、強制装置であり、保証装置だ。法律があり、それを守らせる法執行機関があり、裁判所がある。法律は、法執行機関が強制力をもって適応するので、それが守られる。

もし、民間どうして、契約する場合、どこかの国の法律に依拠する必要がある。なにかあったとき、どこかの国の法律で担保して、その国で強制執行できなくてはいけない。

だから、我々は不本意ながらも、国家という強制装置を信頼し、そこに執行権という強大な権利を預けなくてはいけなかった。

しかし、このようなネットワー上で分散型の契約ができるようになれば、国家を信頼する必要がない。契約は当事者同士で記述でき、どこかの国の法律の援助は不要で、国をまたいでも、相手が匿名でも、契約することができる。そして、ネットワークで自動的に執行できるので、自治体も、国も、なにかに頼らなくてもよい。

これは国家の解体を意味するだろう。ビットコインによって徴税ができなくなるとかそういう話があるが、それどころではない。国家の執行権すら、ネットワーク上に行ってしまうのだ。直接民主主義といった話もこの延長線上に、おそらく見えてくるとおもう。

これはすさまじい革命というか、想像を絶する社会的なインパクトがおこる。国家を骨抜きにするのは、武力ではなく、革命者でもなく、分散ネットワークの契約だ。

インターネットは、情報を自由にした。国家はもう情報を統制できない。

ビットコイン、イーサリアムなどは、契約、権利を、自由にする。国家の権力の中枢が弱まっていくのだ。

よく、分散型通貨は、国家の強制力がないので信用ならないという批判があるが、的外れだ。こういう外堀の技術ができてくることで、国家の強制力が不要になるのだ。

これを聞いて、とんでも無い話だと思う人と、その可能性の凄さに卒倒する人の2タイプがいるだろう。今後は、既存の枠組をまもりたい人と、そこからはみ出たい人の間の軋轢がおきるだろう。21世紀では、そこが主要な対立になる。

なお、日本イーサリアム協会(仮)も設立準備中です。

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