クラウド化する自民党総裁選

2014年05月04日 22:30

ゴールデンウィークのど真ん中で、政治や選挙の話を書くなどという酔狂なことはしたくなかったんですが、ネット選挙ネタで、読売新聞の自民党番記者が放った特ダネがあまりに香ばしいネタなので、私の鼻がクンクンしております。大方、ネット好きで広報のプロフェショナルを自称する世耕さんあたりの仕掛けでしょうか。

自民、総裁選ネット投票検討…若い党員獲得狙う
自民党は、2015年秋の次期総裁選へのインターネット投票導入について、検討を開始する。

利便性をアピールして若い党員の獲得につなげるのが目的で、政治制度改革実行本部(渡海紀三朗本部長)の下に検討組織を設け、6月ごろの結論を目指す。実行本部では、党員に固有のパスワードなどを発行し、ネット上での手続きを可能にする案などが検討されている。

ネット投票の導入に先駆けて、入党手続きも党のホームページなどからでも出来るように変更する。5月中旬にも試験的に導入し、6月中には本格運用したい考えだ。

2014年05月04日 11時34分 Copyright c The Yomiuri Shimbun

自民党は来年末までに、現在70万の党員を120万人に増やすことで躍起になっているそうですね。現状で自民党総裁選を“クラウド祭り”にすると、安倍さんを熱烈に信奉するヤンキー種ネトウヨ科の皆さんはネットへの親和性も高いし、総裁選がニコニコ超会議と化すのでしょうか。来年秋の政治経済情勢がどうなっているか想像もつきませんが、仮に安倍内閣の支持率が現状の5割程度で推移しているならば、安倍さんは圧勝。しかも党勢拡大と、いいことずくめでしょうね。

※GWで総理は外遊なう(Facebookより)
140505安倍

記事中、「利便性をアピールして若い党員の獲得につなげるのが目的」とあるようにパフォーマンス先行の雰囲気は否めないんですが、とはいえ、ネットで、政治をクラウド化する仕組みを作る意義は小さくないと思うわけですよ。クラウドファンディングという仕組みがネットに出来たことで、リアルで密な関係には無くても、勧進をやってしまいたくなることで想像が着くんですが、「政治家や政党にどうやってコンタクトをとるのか分からない」という“そもそも論”の有権者やら、「選挙活動とか表立って手伝うのは人目もあるので嫌だけど、アベノミクスは応援したい」といった“ライト”で“薄い”支持層に対し、ネットで門戸を開く効果はありそうです。

そういう視点から考えると、本当に総裁選を面白くするのは、地盤やお金がない若手候補が「首相になりたいから、みんなの政策アイデアを聞かせて!」とか、「オレ、派閥のボスじゃないしお金も少ないから寄附してくんないかな?」と、“家入スタイル”をやらかすダークホースが出てくるかどうかでしょうね。それも、直滑降ダダすべり大臣のような泡沫じゃなくて、それなりに票を集めて決選投票に滑り込んで、安倍さんに「おっ」と一目置かれるくらいのポジションの人。自民党のネット選挙の取り組みって、ビッグデータの活用にみられるように、発信目的ありきの受信ばかりだが、本当に民意を救い上げて政策づくりをオープン化・可視化して、特定の支持基盤とかに左右されない求心力を作り上げる候補者が出てくるかどうか。

そういう意味では、小泉進次郎さんがネットで草莽発起をやらかしてくれると俄然面白くなりますね。その気になれば党外から求心力を作り出し、数年早く総理になる仕組みが出来上がろうとしているのかもしれません。ま、彼はまだ若いので、次の総裁選では河野太郎さんが「自民党の家入」として泡沫実験台になっていただき、ポスト安倍を決める次の次の総裁選で小泉さんが満を持してクラウド祭り本編をやっていただければと思います。

※一方、未来の総理は地元の写真をアップ(FBより)
140504小泉

それにしても、自民党総裁選のクラウド化やニコ超会議化が現時点では、パフォーマンスやPR目的であったとしても、永田町のオワコンと化している元与党こそ、先にやるべきではなかったのですかね。現状、ネット選挙PR合戦という名のペナントレースでは、自民党が首位独走状態で、元与党は20ゲーム差くらい引き離されたベイスターズばりのドベっぷりです。誰ですか?党首なのに「毛筆をこよなく愛する」等と言っている人は?あまりのセンスの悪さに、若手議員たちの間からギシギシと歯ぎしりする音が聞こえてきそうです。

ところで、家入さん本人はここのところ、地方行脚に熱心でありまして、昨日は奈良で田植え体験。
140514家入

わはは。まるでベトナムあたりの農家を彷彿とさせる風貌で板についてますね。ゴールデンウィークらしい微笑ましい光景であります。ではでは。

新田 哲史
Q branch
広報コンサルタント/コラムニスト
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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